「ていうかっ、あたしを地面に戻しなさいよ!」空中でジタバタ暴れるマリア。長い亜麻色の髪が、乱れているが本人は気にしていないようだ。指先に、小さな炎が灯った。「はやく戻さないと、本当に燃やすわよ?!」「もも、ももも戻しますから! 姉貴が来る前に!」ふわり、とマリアの体が静かに着地した。「───ところで一ノ瀬先輩? どうやって、おれの背後に静かに来れたんですか?」ニヤ、とふたばが笑った。「気になりますか?」