ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 絶対少女!! ─巡る季節─ ( No.18 )
日時: 2010/10/07 17:00
名前: ユエ (ID: ZdfJmAM/)



ある日の、能力研究家と一人の能力者の会話。





「やあ、君が××××くんかな?」


椅子をひきずる音。
それから研究家が座ったと思われる音。




「……あぁ、はい。 そうです………」


「君と話す機会が出来て嬉しいよ、××××くん」



「あの、××で結構です……」



「あぁ、そうかい? じゃあ、××くん」



「……はい」


能力者の声はとても弱々しく、あまり聞き取れない。
まるで何かに怯えているようだ。



「××くんの能力は、何だったかな?」



「………、…………。 * *です……」


「* *? どんなことが出来るのかな……?!」


研究家の声が少し高ぶる。



「是非、見せてくれないか?
 たとえば、ほら。 この男を使って……!」


ガタガタ、と椅子がひきずられる音。
それから近くにいたと思われる使用人の男のうめき声。

「ヒト、を、使うん、で、す……か?」


「出来るか? 出来ないか?」



「───もう嫌だッ、やりたくないやりたくないやりたくない!
 うがあああああああッあああ、ああああああ!」



能力者の叫び声と、バキバキ、という木が倒れるような音。
それから研究家や使用人の小さな叫び声。





───ブツッ






そこで録音は途切れていた。




最後は能力者の暴走だった。
もちろん、あの研究家や使用人は即死。


能力をまともにくらったという。



「───はぁ……。
 ××××、現在17歳。 これは12年まえの出来事ですね」