ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─オーバーゲーム─16話UP♪ ( No.119 )
- 日時: 2010/10/24 16:27
- 名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)
【17】
「ほう・・・。まさか、そんな人間がいるとは・・・・・」
ムーンは笑い声を混じりながら言うと、骨が折れた右足を引きずりながら後退していく。
志村はダームスタチウム製の右義手で、近くに置いてあった外したドアを持つ。
「逃げる気か?殺すんじゃないのか?」
「これでは殺せないし、お前面白いから生かしておいてやる。脱出して見せろ。」
「この義手なら、窓に取り付けられてある鉄板も剥がせる。」
「それは不可能だ。ここは、常崎学園ではないのだからな。」
「なに・・・・?」
ムーンは意味深い言葉を残し、そのまま階段を降りて行った。
志村は安堵の息を漏らし、その場に座りこむ。
だが、頭の中にムーンの最期の言葉が残っていた。
「どういうことだ・・・ここは、常崎学園じゃない・・・・」
志村は考えようとしたが、その瞬間意識がプツリト途絶え、その場に倒れた。
──────
1−2
「はぁ・・はぁ・・・・やった・・・・」
京介、玲奈、当真、洋一郎、アルジー、宮本の6人は、ゴール地点である1−2の教室に入った。
教室に入ると、ずぶ濡れの白条千草、双葉未子、本城暗助が洋服を乾かしている。
更に奥には、摂津希世志が腕を組んで壁に寄りかかっていた。
「こ、こんだけ・・・・・」
京介は安心感に満たされたが、若干の絶望感を感じた。
「アルジー、大丈夫か?」
「YES、大丈夫デース・・・。でも、疲れマシタ。」
洋一郎とアルジーは、ヘトヘトになりながら床に座り込んだ。
一方、玲奈は志村を失った宮本のアフターケアをするために、寄り添っている。
「三谷、ちょっといいか。」
「ん?どうした?」
京介も休もうとしたが、当真に呼ばれて教室から出た。
──────
「どうしたんだよ。」
「いや、ちょっと疑問があってな・・・」
当真はそう言うと、眼鏡を掛け直しながら、教室の奥にいる摂津希世志を見た。
京介も希世志を見ると、当真に視線を移して首を傾げた。
「手前の3人は、恐らく水の間から来ただろう。だが、あいつはどうやって来たと思う?」
「はぁ!?」
「あいつの体は濡れていない。結構、早い時間にここには着いてる。」
当真の言葉に、この時初めて京介は違和感を感じた。
確かに、服が濡れた痕跡はなかった。
水の間では必ず濡れないと来れない。なのに、摂津希世志は濡れていない。
「そうだな・・・。ちょっと、不自然だ。」
「嫌な予感がする。三谷、気をつけとけ。」
「おう。お前もな。」
2人は顔を合わせて頷くと、教室の中へと戻った。
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