ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─オーバーゲーム─16・17話UP♪ ( No.125 )
- 日時: 2010/10/25 18:31
- 名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)
SECOND STAGE
残り制限時間 3分_______
──────
【18】
A棟 1−2
ゴール地点に着いた京介達は、完全に疲れ切っていた。
玲奈は京介の方に頭を置き、枕代わりにして寝ている。
洋一郎とアルジーは、笑いながら話しているが、その横では落ち込んでいる宮本を当真が慰めている。
「ったく、このゲームは何なんだ・・・・・」
京介はこの時、オーバーゲームの根本に疑問を持った。
━なぜ、オーバーゲームが常崎学園だけであっているのか━
京介は考えようとしたが、疲労で頭が回らない。
肩で寝ている玲奈の頭に、自身の頭を重ねて目を閉じようとした。
その時だった。
「やった・・・着いた・・・・・」
教室のドアがガラガラと開き、ずぶ濡れになった樋口太陽と木上院明日香が現れた。
明日香は不機嫌そうな顔をしながら教室に入ると、足早に椅子へと座った。
「太陽、早く拭く物貸して。」
「え!?あ、え〜っと・・・・・・」
太陽はポケットからハンカチを出し、明日香はハンカチを無愛想に奪い取った。
この光景を見ていた京介や他の人間は、首を傾げて不思議に思う。
「そういえば、朝場がいないな・・・」
京介はこの時、いつも明日香の隣にいた瑠夏がいないことに気が付いた。
京介は玲奈を起こし、立ち上がると明日香に近づいた。
「木上院、朝場はどうした?」
「さぁ?死んだんじゃない?」
明日香は不気味に笑みを浮かべると、拭いたハンカチを床に捨てた。
京介はこの時、太陽と瑠夏の姿が重なった。
「お前、朝場を何だと思ってるんだ?」
「道具よ。朝場家は、木上院家にとっては道具か駒。」
京介は明日香の言葉を聞いた瞬間、何かが切れる音がした。
聞いていた周りのプレイヤーも、明日香の言葉に若干の怒りを感じた。
「ふ、ふざけんなぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
京介は怒り爆発し、明日香の顔面を殴ろうとした。
しかし、太陽が間に入ってパンチを止める。
「止めろ。女の子だよ?」
「引っ込んでろ、脳なしイケメン。」
「なっ!?」
「お前は容姿だけだろうが、中身はスッカラカンだ。」
京介の言葉を聞いた太陽は、歯をガチガチと鳴らし、拳に力を込めた。
そして、京介の目を睨みつけた瞬間、京介に襲いかかろうとした。
が、
「うらぁぁぁぁぁ!!!!!!」
襲いかかってこようとした太陽のわき腹を、横から洋一郎がタックルで止めた。
太陽は床に派手に倒れ、円状に並べられた15脚の椅子の列の中に入った。
「ぐっ・・・・」
「おい、てめぇらは人間のクズだ。ここから脱出した時、訴えてやる。」
「証拠がないだろ?馬鹿かお前は?」
「て、てめぇ!!」
洋一郎はもう一度殴ろうとしたが、京介がそれを止めた。
洋一郎は京介の行動に唖然としていたが、それより太陽の表情が唖然となっていた。
「お前と木上院は、オーバーゲームが終わったら警察に突き出してやる。」
京介はそう言うと、洋一郎を連れて教室の後ろへと下がった。
そして、その瞬間にSECOND STAGEの終わりを告げる放送が聞こえ始めたのだった。