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Re: ─オーバーゲーム─18話UP♪ ( No.131 )
日時: 2010/10/26 19:44
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

【ゲームセット】

A棟 5階  1−2


『SECOND STAGEをクリアした12名の諸君。まずは、御苦労さまでした』


スピーカーの向こうから消えてくるシャインの言葉を、全員が聞き逃さない程度に聞いていた。

『2時間程度の休息を与えますが、今回は何も食料は用意しておりません。では、2時間後に。』

スピーカーの電源が切れる音がすると、京介達は改めて安堵の息を漏らした。
食料をもらっても喉に通る見込みはなかったので、京介達にとってはどうでもよかった。

「アルジー、トイレ行こうぜ。」

「いいデスよ。」

洋一郎はアルジーを引き連れ、教室を出てトイレへと向かった。
京介は壁に寄りかかったまま、再び座りこむ。
すると、隣に玲奈が座りこんできた。

「京介、なんだか疲れちゃった・・・・・」

「そうだな・・・・。」


「まだ、このゲームは続くのかな・・・・」


京介は玲奈のその言葉に、先を思い詰めた。
ステージが進むたびに、必ず死傷者が現れ、ゲームオーバーとなっていく。

脱落した他のみんなは一体、どうなっているのだろう?

京介はつい、考えても無駄な事を考えてしまう。
だが、何かを考えていないと落ち着かない状態だった。

「三谷君、ちょっといい?」

「はい?」

京介は宮本に呼ばれ、そのまま廊下までついて行った。
宮本は茶髪をポニーテールで整え、白衣からいつの間にか、水色のシャツに白いズボンになっている。
その姿から、養護教諭というよりも、ただの成人女性にしか見えない。

「どうしたんですか?」

「生き残った中で、私が唯一の大人。だけど、私には皆をまとめられる勇気がないの・・・」

「大丈夫ですよ、志村先生みたいに完璧にはいかなくても。」

「でも、志村先生の意思を継いで頑張っていきたい。だから、三谷君に協力してもらいたい。」

宮本はそう言うと、京介と目を合わせて頷きながら言った。


「頼りない保健室の先生を、あなたがサポートして。」


宮本は唇を噛み締めながら言うと、京介に握手を求めた。
京介は笑顔で大きく頷くと、宮本と握手をする。
2人は共に笑顔になり、協力することを誓った。





その時に、ある出来事が起こったのだった______






「う、うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」



突如、2人の後方から洋一郎の悲鳴が聞こえてきた。
教室にいたメンバーも驚いて教室を飛び出し、思わず全員がトイレの方を見た。
すると、洋一郎とアルジーが、呆然とした表情で何かを見ていた。
京介は不思議に思い、2人に駆け寄る。



「!?」



京介は2人の視線の方向を見て、思わず言葉を失くした。




「いやぁ〜!!ほんま、死ぬと思ったで!!!!」




4階から、単調に関西弁を喋る謎の男子生徒が上がってきた。
だが、その横にいた人物に、京介は言葉を失った。


「おや、久しぶりだな?三谷京介君・・・・」


「あんた・・・どうして・・・・・」






「馬場教頭・・・・・」





そして、京介は知ることになった。



謎の関西人と教頭の登場により_______



戦局が大きく変わることを_______






SECOND STAGE ゲームセット