ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─オーバーゲーム─4話・キャストUP☆ ( No.14 )
- 日時: 2010/09/23 10:08
- 名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)
【05】
C棟 5階
煙に包まれたフロア。壁は煤のせいで黒くなり、廊下には無残にパソコンが転がっている。
「大丈夫か・・・・?」
「わ、私は大丈夫・・・・・」
「俺もどうにか・・・・」
間一髪のところで会議室に飛び込んだ3人は、怪我を負うことなく助かった。
最初に立ちあがった京介は、ドアを開けて廊下を見渡す。
閑散とした廊下は、煙で目の前が見えないほどだった。
「ったく・・・窓は駄目だし・・・・。これじゃあ5階は無理か・・・・」
鉄板で固定された窓から煙は出ることなく、5階を彷徨い続ける。
煙が消えるのは時間がかかるだろう。
「玲奈、宗一郎。4階に降りよう、ここは無理だ。」
京介の言葉で、2人は立ち上がる。
軽く頷くと、3人は口を塞ぎながら4階へと降りて行った。
─────
体育館前 渡り廊下
「ここだな。」
A棟から遥々体育館までやってきた洋一郎とアルジーは、体育館前の渡り廊下に来ていた。
体育館の扉は固く閉ざされ、扉の横に大きな筒状の機械が置かれてある。
「あれはナンデすか?」
「この穴に入れるっぽいな・・・・」
洋一郎は筒状の機械に近づき、真上にある小さな穴を見ながら言った。
アルジーから貰ったビー玉をその穴に入れると、突然機械から女性の声が聞こえ始める。
「指紋認証中、指紋認証中。黒部洋一郎、ゲームクリアを認めます。おめでとうございます。」
女性の言葉と共に、体育館の扉がゆっくりと開く。
洋一郎はガッツポーズを見せると、アルジーの方を見る。
「お前も早くしろ!!」
「は、はい。分かりマシタ!!」
アルジーもビー玉を穴の中へと入れた。
すると、洋一郎と同じように指紋認証が始まる。
「ゲームクリア。おめでとうございます。」
「thank you♪これ、ここに置いておきマショウ。」
アルジーは残り1つのビー玉を装置の下に置くと、洋一郎を追いかけるように扉へ入った。
開始から1時間、2人クリア。
───────
B棟 5階
「摂津・・・てめぇ・・・・・」
B棟の5階は、ある生徒により惨劇の場と化していた。
血まみれで倒れる6名の男子生徒、顔面から血を流す2名の女子生徒。
倒れている8人の真ん中に、金属バットを持ち眼帯を付けた男子生徒が立っている。
「2名クリアか・・・。そろそろ作動し始めるかな・・・・」
1−1の生徒である摂津希世志は、金属バットを廊下に投げ捨てると、そのまま歩きだそうとする。
しかし、倒れていた男子生徒が希世志の足を掴んだ。
「て・・・めぇ・・・・ビー玉よこ・・・・せ・・・・・」
「FIRST STAGEのクリア条件は、知能と貪欲さだ。さようなら。」
希世志は不気味に笑うと、男子生徒の顔面に思いっきり蹴りを入れた。
そして、男子生徒はピクリとも動かなくなった。
希世志は8人から奪ったビー玉8個を、手洗い場の排水溝に捨てた。
「さて、これでクリアできるのは90名だ。なるべく減らして、簡単にクリアしようかな・・・」
希世志は1人で呟くと、その場を後にした。
ゲームクリア可能人数、残り90名_______