ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─オーバーゲーム─THIRD STAGE ( No.140 )
日時: 2010/10/29 21:43
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

【プロローグ】


オーバーゲーム開始から47時間_______


早くも丸2日経とうとしていた頃、京介達の知らないところで新展開を見せていた。


───────


警視庁   特別大会議室



「来栖管理官!!生徒の保護者からの電話が止まりません!!!」


「こちらは、常崎学園にマスコミが押しかけて・・・・え?またか!?」


「消えた生徒達の顔写真を前に出せ!!急げ!!!」


大ホールに並べられた長机の上には、とある事件資料が散乱し、警察は困惑していた。
警視庁は、24時間前に前代未聞の事件に頭を抱えていた。




━常崎学園全生徒職員消失事件━




会議室のドアの横の壁には、達筆でそのような見出しが貼られていた。
今回、この事件を任せられた来栖秀明は、オールバックの髪を掻き毟って混乱している。

「管理官!!一応、学園に行ってみましょう!!」

「無理だ、ここは誰が指揮をとる?地元の警察を学園の周りに配備しろ。」

来栖は部下に命令すると、会議室の前に設置された大型のボードに、生徒たちの顔写真を貼っていく。
生徒会長の桐嶋智、転校生のアルジー・ローランド、養護教諭である宮本早百合。
ゲームオーバーになった者、現在も生き残っているプレイヤーたちの顔写真が貼られていく。


「一体、どこに消えたんだ?」


世間体では、彼ら600名が学園から消失したことになっていた。
そのせいで、生徒たちの両親、職員達の身内が溢れるばかりに学園へ押しかけている。

「急がねば、最悪の事態に陥るな・・・・」


「来栖さん!!新たな情報だ!!」


来栖がホワイトボードの前で悩んでいると、後ろからスーツを着た草食系の若い男性が走ってきた。
片手には、一枚の紙を持っていた。

「こ、これを・・・・」

「・・・・ん?な、なに!?」

来栖は男性の持ってきた紙を見て、言葉を失い呆然とした。
その紙は、先程出来上がったばかりの新聞の切取り部分だった。



──現総理大臣 久保信之助辞任──
今日の正午、現総理大臣である久保信之助は、国会議事堂で緊急記者会見を開き、総理大臣辞任の発表を行った。久保総理は、次の総理大臣に防衛省防衛大臣である国章武淵を推薦している。しかし、政界では、総理大臣選挙を急遽開き、総理大臣の候補者を出している。
今後の日本政府の動きが、どういう風に乗るかは、誰も予想できないだろう。

────────


来栖は紙を読み上げると、愕然とした。
未知数の事件、総理大臣の謎の辞任。

「か、管理官・・・。政府から、警視庁へ警官を配備してほしいと要請が・・・・」


「む、無理に決まってるだろう!!!常崎学園の事件が先だ!!!」


来栖はそう言うと、資料を持ち、会議室から足早に出て行った。




オーバーゲーム THIRD STAGE__________




それは、まだ始まりに過ぎなかった_______