ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─オーバーゲーム─THIRD STAGE ( No.144 )
- 日時: 2010/10/30 21:10
- 名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)
【01】
「それでは、これより三谷京介を基準に時計回りで問題を出題していく。」
アースはそう言うと、ポケットからトランプを取り出した。
どうやら、そのトランプに問題が書かれているらしい。
アースはトランプを適当に選ぶと、京介の方を見た。
「それでは、第1門。」
─FIRST STAGEでゲームオーバーになった人数は?─
「はぁ!?」
その問題に、14人全員が呆然となった。
京介も一瞬驚いたが、急いで過去に記憶を辿り、FIRST STAGEを思い出す。
「参加者600名・・・ゲームクリアは100名までだったが・・・確か大幅に減ってしまって・・・。」
京介は目を瞑り、俯いた状態で考え始めた。
どうやら制限時間はないらしく、アースはじっと京介を見ている。
「4・・・9。49名だ・・・・いや・・・」
「48名だ。」
「・・・・正解です。」
京介は、アースのその言葉に安堵の息を漏らした。
自身の生命がかかったクイズと思うと、思考回路が混乱する。
「それでは、次は山本玲奈への出題です。」
「は・・・はい・・・・・。」
─ここは、常崎学園である YES or NO─
「え?」
玲奈は思わず、そんなの‘YES’だと思った。
だが、どこかでその答えを否定する自分がいた。
玲奈の右に座っていた洋一郎は、小声で「分かるだろ」と呟いてきた。
「うっ・・・答えは、・・・・NO。」
「・・・・・正解です。ここは、常崎学園ではありません。」
「え、えぇぇぇぇぇ!?」
アースの言葉に、全員の表情が変わり、誰もが言葉を失った。
アースの言っている意味が分からなかった。
なぜなら、自分たちが常崎学園の教室にいるからだ。
「お、おい!!意味が分からんぞ!!どういうことだ!!!!」
「ここは常崎学園でしょ!?馬鹿じゃないの!?」
馬場教頭と明日香が、アースに叫ぶが、アースは無視したまま続けた。
次は、洋一郎の番だ。
「黒部洋一郎への出題です。」
「おう!!何でも来い!!!」
─あなたの両親は、どのようにして亡くなりましたか?─
「!?」
洋一郎は、その問題が出題された瞬間に、先程までの表情が段々と消えて行った。
京介はアースを睨みつけ、洋一郎の方を見た。
洋一郎は俯き、唇を力いっぱい噛み締め、目頭に涙を溜めていた。
「てめぇ・・・なんで・・・・・」
「制限時間は無制限です。いつでも、いいですよ。」
アースのその言葉に、洋一郎は頭を抱え込んで、唸り始めた。
他の人間は意味が分からず、洋一郎と訳を知っている京介を見つめる。
京介はその瞬間、洋一郎ととの過去の出来事を思い出した。
それは______
今から5年前に起こった事件であった______