ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─オーバーゲーム─2話UP♪ ( No.159 )
日時: 2010/11/03 12:44
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

【03】


「それでは、アルジー・ローランドへの出題です。」


「お、OK・・・・」


─あなたの狙いは何ですか─


「・・・・Why?」

アルジーは首を傾げ、キョトンとした表情を見せた。
ほかの13名も質問の意味が分からず、ただアルジーを見ていた。
アルジーは微笑むと、アースに向かって口を開いた。


「No do get into one's stride so. In lass's position…」


「・・・日本語で話してくれますか?」


アルジーは突如、英語を喋り始めた。
アースは特に驚いた様子はなく、丁寧に接してきた。
隣に座っていた洋一郎は、アルジーをチラ見して、あることに気付いた。

「ん・・・・?」

アルジーの首元に、薄らだが‘M’とゴシック体で書かれている。
だが、‘M’の文字の上から、バツ印が書かれている。


「もう一度、THIRD STAGEの根本的な説明をしてあげましょう。」


アースはそう言うと、コツコツと京介達が座る円状に並べられた椅子に沿って歩き始めた。


「このステージでは、あなた方14名の真実と虚偽を露わにする。隠し事は一切なし。」


「つまり、秘密を言えってことか・・・」


「簡単に説明すれば、そうです。」


アースはアルジーの前で足を止め、アルジーの顔を見る。
アルジーは怪訝な表情で、アースのひょっとこの仮面を見つめる。

「分かりマシタ・・・言いマス。」

アルジーは一度大きなため息をつき、深呼吸をした。
そして、信じられない言葉を口にした。




「私は、あなた方のお仲間です。」




「え?」




「は?」




「・・・・正解です。」




‘あなた方の仲間’、その言葉が何を意味しているのか分かったのは、当真と京介だけだった。
‘あなた方’、つまりオーバーゲームに関与している奴らの仲間だということ。

「冗談だろ?アルジー・・・・・」

「・・・・・・」

洋一郎は隣に座るアルジーの顔を見ながら、小さくつぶやいた。
誰もが予想だにしていなかった答えを前に、特にアルジーと仲良くしていた洋一郎のショックは大きい。

「は・・・ははは・・・嘘だろ?ウソって言えよ!!!!!」


「真実デス・・・。私は、オーバーゲームに関与している人間の一人。」


アルジーがそう言った瞬間、アルジーの腰を縛っていたベルトがとれた。
だが、ほかのプレイヤーのベルトは取れない。
アルジーは立ち上がり、アースに近づいた。


「彼の記憶は戻っていないデスよ・・・。」


「了解しました。それでは・・・・」


アルジーは一度も洋一郎の方を振り向くことなく、教室から出て行った。
この出来事全てが、一瞬だった。
ただ、漠然と分かっているのは・・・・





アルジー・ローランドは裏切り者_________