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Re: ─オーバーゲーム─4話UP♪ ( No.169 )
日時: 2010/11/05 20:28
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

【05】


アースは当真の隣に座る、宮本の方を向いた。
まだ、6人目だ。

「宮本早百合への出題です。」

「え、えぇ・・・」

宮本は不安そうに頷き、アースは問題が書かれているトランプを選び、読み始めた。

「あなたは・・・・」

アースが読み上げようとした瞬間だった。




「ほな、さいなら。」




「え?」




アースが後ろから聞こえた声に振り向くと、そこには固定されて動けない筈の謎の関西人が立っていた。
確かに腰をベルトで固定され、椅子から立ち上がれない筈なのに、その関西人は平然と立っていた。
アースは驚き、一瞬動きが止まる。


「ど、どうやって・・・・」


「ノリ♪・・・なんでやねん!!!」


関西人は自身でノリツッコミしながら、アースの仮面を剥ぎ取った。
アースは動きが速すぎて何もできず、ひょっとこの仮面が床に落ちた。

「ぐっ・・・・貴様・・・・!!!!」

仮面の下は、以外にも顔立ちの良い女性で、よく見ればモデルの様なスタイルだ。
アースは一旦後ろへ下がると、持っていた問題が書かれたトランプを捨て、教室から出て行く。

「あっ!!!待てや!!!!!」


「お、おい!!日向、私のベルトをはずせ!!!」


馬場教頭は、関西人のことを日向と呼び、日向は振り向いてため息をついた。

「しゃあないなぁ〜・・・・」

日向は馬場教頭に近づくと、腰から折りたたみ式のナイフを取り出し、ベルトを簡単に切った。
馬場教頭は立ち上がると、縛られたままの11名を見まわし、不気味に微笑んだ。

「私たちは御暇させてもらうよ。行こうか、日向君。」

「おっしゃ!!こんな物騒な場所、さっさとでるでぇ!!!」

馬場教頭と日向は縛られたままの京介達を助けることもせず、教室から出て行く。
その時だった。


「これ使って、後でこいや。」


日向は当真の席の隣を通る際に、小声で言うとナイフを当真の腰に捨てた。
馬場教頭は気付いておらず、2人はそのまま教室から出て行った。

「あいつ・・・」

「おい!!藍田、早くベルトを切って助けろ!!」

先ほどまで落ち込んでいた洋一郎は、当真に叫んで言った。
当真は急いでベルトを切ると、次々に全員のベルトを切っていく。


「よっしゃ!!早く、あのアースとかいう女と2人を追いかけようぜ!!」

「そうだな。とりあえず、全員で動くのは危険だから・・・・」


「あら、私たちは先に行くわよ。」


京介が仕切ろうとしたその時、明日香と太陽が前に出てきた。
京介はこの2人を見ると、怒りを通り越して呆れ果てていた。

「樋口、私たちは私たちで行くわよ。あんたみたいな奴に、指図される覚えはないわ。」

明日香はそう言うと、太陽と共に教室から出て行った。
2人を止める者はおらず、残った9名は京介を見つめている。


「とりあえず、俺と洋一郎と君と・・・2年生の先輩で追いかけましょう。」


京介は、2年生である千草と暗助を選んだ。

「残った当真、宮本先生、玲奈、君と摂津は残ってくれ。」

京介は5人に言うと、選んだメンバーで教室を出て行った。
そして、この時から歯車が動き始めていた。




悲劇への歯車は_______




今動き出した______