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Re: ─オーバーゲーム─7話UP☆ ( No.18 )
日時: 2010/09/26 14:52
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

開始から3時間が経ち始めていた。
時間が進むにつれ、生徒たちはビー玉探しを諦め始め、挙句の果てには動かない生徒も出没。
そんな中、FIRST STAGEに新たなシステムが導入されるのであった。

──────


【07 ─A棟封鎖システム作動─】


A棟 2階


A棟でビー玉を探していた1年生のイケメン男子生徒、樋口太陽は途方に暮れていた。
開始から3時間、ありとあらゆる場所を探してビー玉が一つも見当たらないのだ。

「くそっ・・・一体どこだよ・・・・」

今の太陽には、普段女子の前で見せるクールな雰囲気はなく、目つきも鋭くなっていた。
廊下をトボトボと歩き、B棟へと繋がる渡り廊下の目に来た時だった。



ウゥーーーーーーー  ウゥーーーーーーーーー



鼓膜が破れる程のサイレンが、スピーカーから突如鳴り始めた。
そのサイレンはA棟にしか鳴ってないらしく、太陽は思わず耳を塞ぎながら膝をついた。

「な、なんだよ・・・・・」


『開始から3時間が経過いたしました。これより、A棟を封鎖いたします。』


スピーカーから聞こえる女性の声と共に、渡り廊下とC棟の繋ぎ目から、鉄のシャッターが降り始めた。
勿論、こんな物は常崎学園に設置などされていない。
太陽は一瞬呆然としたが、我に戻って、渡り廊下めがけて走り始めた。


「う、わぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


シャッターと床の間約30センチの隙間に、太陽はスラィディングをしながら通り抜ける。
そして、シャッターは「ガコン!!」と音を上げて、完全に閉まった。


「おい!!!ふざけんな!!!!」

「そっちへ行かしてよ!!!」

「時間制限なんて聞いてねえぞ!!!!」


シャッターの向こうから聞こえる罵声に、再びスピーカーの電源が入るのを確認した。

『時間制限はありません。ただ、あなた方が本気を出さないから行ったのです。ゲームオーバーの人数は50名。ビー玉は20個減りました。これで、ゲームクリア可能人数は70人です。』


その言葉を聞いた途端、太陽は顔色を真っ青に変えた。
残り70個。ゲームオーバーになったのは600名中の50名だ。

「やべぇ・・・・」

太陽は立ち上がると、大急ぎでB棟に向かった。




A棟封鎖 完了_______