ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─オーバーゲーム─9話までUP☆ ( No.20 )
- 日時: 2010/09/25 18:28
- 名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)
【09】
図書室を後にした京介達は、渡り廊下を渡ってB棟の2階へと来ていた。
ビー玉を探している生徒がチラホラといるが、やけに数が少ない。
「みんな、どこ探してんだろうね・・・・」
「とりあえず、あそこに行くぞ。」
京介は渡り廊下を渡りきったすぐ傍にある資料室に指を指した。
資料室は、普段生徒が入ってはいけない場所であり、京介は見た瞬間に怪しいと思った。
3人は資料室に駆け寄り、ドアノブを回す。
だが、ドアは固く閉ざされていた。
「鍵は・・・職員室か・・・・」
「でもクソ教頭が、C棟の1階は掌握してる。どうする?」
「これで行こう!!」
京介と宗一郎が悩んでいると、玲奈が設置されてある消火器を持って言った。
2人は一瞬呆然となったが、顔を合わせて大きく頷いた。
京介は玲奈から消火器を貰うと、ドアノブめがけて消火器を叩きつける。
カンカンカン
廊下に音が鳴り響き、数十回叩いたところでドアノブが壊れた。
消火器を投げ捨て、京介と宗一郎はドアにタックルをする。
すると、轟音を上げてドアは壊れ、2人はバランスを崩して床に倒れ込んだ。
「やった!!京介、宗一郎君、大丈夫?」
倒れる2人に玲奈は手を貸し、京介と宗一郎は立ち上がる。
資料室の大きさは、一般教室と同じ程の大きさ。棚にはファイルや資料が詰め込まれている。
棚の隣にはパソコンが数台置かれており、どれも起動していない。
「さてと、探すか。」
「資料室って、こんな場所だったんだな・・・・」
「え?どうして?」
宗一郎の言葉に、玲奈は首を傾げて質問する。
「漫画とか読んでると、こういう場所には何か隠されてるんじゃないかなって、思う時があるんだ。」
「俺も同感。入ってはいけない部屋には、もしかしたら何か隠されてるって思うよ。」
3人は他愛もない話をしながら、資料室の隅から隅まで調べて行く。
10分経った頃に、玲奈が棚から何かを取り出してきた。
「ねぇ、これって何だろう?」
玲奈は真っ黒なファイルを取り出し、京介と宗一郎は首を傾げながら近づく。
ファイルの表には“7”とだけ書かれており、そこまで厚さでもない。
玲奈は不審に思いながらも、ファイルをゆっくりと開ける。
「え・・・・?」
「これって・・・・・」
「生徒手帳?」
ファイルの中に、常崎学園の校章が描かれた手帳が一冊。それ以外は入っていない。
玲奈は手帳を取り出し、表と裏を見る。特に変な部分もない。
だが、なぜファイリングしているのか気になった。
「それは後だ。先に、ビー玉を探すぞ。」
京介は目的を失いかけた玲奈に言い、再びビー玉を探し始める。
宗一郎も玲奈の肩に手を置き、無言で頷く。
「は〜い・・・」
玲奈は手帳をファイルに直そうとしたが、妙に気になって、2人の目を盗んで手帳をポケットに入れた。
空のファイルを元の位置に戻し、そのままビー玉探しへと戻った。