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Re: ─オーバーゲーム─オリキャラ☆残り6名 ( No.27 )
日時: 2010/09/26 09:23
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

【10】


B棟 2階 資料室


京介、宗一郎、玲奈の3人は40分近く資料室にいた。
かれこれ、かなり時間が経つがビー玉は見つからない。

「はずれかよ・・・・この部屋・・・・」

宗一郎は汗だくになり、とうとう床に座り込んだ。
それに続けて、玲奈も床にしゃがみ込む。
だが、京介は諦めずにビー玉を探す。

「京介、もうないよ。諦めて、違う場所探そうぜ。」

「・・・・・宗一郎と玲奈さ・・・・・」

「なに?」

何かを言いかけた京介に、玲奈は首を傾げながら聞き返す。
すると、京介は暗い表情で2人の方を向き、衝撃的な発言をした。



「先にクリアして、安全な場所にいてくれ。」



「はぁ!?」

「きょ、京介!?」

2人は京介の発言に、思わず立ち上がって唖然とする。
京介は大きなため息をつき、壁に寄りかかる。

「俺も後で行くからさ、先にクリアしといてくれ。」

「何言ってんだよ!!最後まで付き合うぜ!!!」

「そ、そうだよ!!どうしちゃったの!?」

2人の言葉に、京介は首を横に振る。
突然、京介が弱気になった理由が2人には理解できなかった。
今まで一緒に行動してきたのに、なぜこんなことを言いだすのか。


「早く行けよ!!邪魔なんだよ!!!」


「邪魔?どうしたんだよ!?今まで仲良くやってきただろ!?」


「うるさい!!お前は途中でついてきたんだろうが!!!」


「なっ・・・・ざ、ざけんなぁ!!!!!!!」


口論がとうとう、喧嘩に変わった。
宗一郎は京介に飛びかかり、そのまま顔面にパンチを喰らわした。
玲奈は2人の姿を呆然と見ながら、目から涙を流す。

「見損なった・・・。行こう、玲奈ちゃん。こんな奴といたら危険だ。」

倒れ込んだ京介を見ながら、宗一郎はそう言うと資料室を出て行った。
しかし、玲奈だけは京介を見つめていた。

「どうしちゃったの・・・・京介・・・・・」

「行けよ。お前も邪魔なんだよ・・・・」

京介のその言葉が一撃となったか、玲奈は涙を流しながら資料室を出て行った。
1人となった京介は、立ち上がりながら、口から出る血を拭き取る。

「玲奈、お前のためなんだ。宗一郎、任せたぞ。」

京介が先ほど取った行動は、玲奈を助けるための行動だった。
宗一郎を怒らせ、京介に絶望する2人。
そして、挙句の果てにはバラバラとなるシナリオ。
玲奈を助けたいためにとった行動だったのだ。

「必ず、追いつくよ。」

京介はそう言うと、再びビー玉を探し始めた。
だが、この瞬間にあるシステムが再び作動しようとしていた。







 B棟封鎖システム作動_________