ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─オーバーゲーム─キャストUP ( No.4 )
日時: 2010/09/19 22:16
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

≪FIRST STAGE 〜ビー玉探し〜≫

体育館に集められた全生徒と教職員は、スピーカーに耳を傾けていた。

「それでは、オーバーゲーム。FIRST STAGEを始めるよ〜ん。」

体育館に漂う不穏な空気とは裏腹に、楽しげに喋るスピーカーの向こうの男。
この時、全員が怪訝な表情を見せた。


「FIRST STAGEはビー玉探し。学園内に隠された100個のビー玉を探し出したらクリア。この学園内には現在600名いるが、その内の90%はゲームオーバーだ。では、詳細は彼から聞くといい。」


その言葉を最後に、スピーカーの電源は切れた。
京介は隣に立っている玲奈の顔をチラ見する。
すると、玲奈は脅えた表情で小刻みに体が震えていた。
「玲奈、大丈夫?」
「ちょっと怖い・・・・それに・・・・」
「それに?」
玲奈が何かを言おうとしたその時だった。


「これより、FIRST STAGEのルール説明を行う。一度しか言わない、注意して聞け。」


体育館のステージ上に、無地の仮面をしたスーツ姿の男が立っていた。
男の声は変声機で若干だが、低い声になっている。



「学園に隠されたビー玉を探し、再び体育館に戻ってこい。その際、相手が持っているビー玉を奪うのは禁止。ビー玉を先に手にした者が所有者となる。ルールは以上だ。ここでは、罪を犯しても何をしても良い。法律などとは無縁の地帯。それでは、健闘を祈る。」



男は説明を終えると、ステージから上手へと歩き始めた。
その直後に、体育館を恐怖に陥れた出来事が起こった。

「待て!!ふざけんなぁぁぁぁ!!!!!!」

1人の男子生徒が、ステージに向かって走り出す。
そして、ステージ上へと飛び上がった次の瞬間。




「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」




眩い発光とバチバチバチと電気の音と共に、男子生徒の悲鳴が響き渡る。
発光のせいで、全員は直視できないが、威力は悲鳴で理解することができた。
数秒経ち、男子生徒は丸焦げとなって床に倒れた。


「ルール無視、反逆、学園内からの逃亡。以上の3点を犯した者は、我々が裁く。では。」


男は振り向いて言うと、再び歩き始めてステージの裏へと消えた。
そして、スピーカーから険悪な雰囲気をぶち壊す様な、愉快な音楽が流れ始める。




「では、FIRST STAGE開始だ。」




教職員、生徒たちは互いに目を合わせると、歓声をあげて体育館から飛び出し始めた。
「い、行こう!!とりあえず行くんだ!!!」
「う、うん!!」
京介は玲奈の手を握り、他の生徒に混ざって体育館から飛び出した。





そして______




長い長いゲームが______





スタートしたのだった______