ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─オーバーゲーム─SECOND STAGE始動♪ ( No.66 )
日時: 2010/10/11 12:42
名前: 鷹の目 (ID: ze9J8nGv)

【01】

体育館の扉を開けた瞬間、京介と玲奈の体に熱風が襲いかかった。
2人は思わずその場に倒れ、急いで体育館の扉を閉めた。

「あ、熱い・・・・・」

「やば・・・・」

2人は息を荒げ、そんな2人をほかのプレイヤーが見つめていた。
京介は立ち上がると、再びドアを開けて、しゃがみながら前へと進んだ。
玲奈も京介の真似をしながら、身を潜めて前へと進む。

「床に近い方が熱風は来ない。だけど、A棟まで行くって言ったって・・・・」

2人はすぐ近くにあるC棟とB棟を繋ぐ渡り廊下の前についた。
しかし、渡り廊下はFIRST STAGEでシャッターが下りて封鎖されている。
更に、B棟は今頃水が溜まって、進める状況ではないはずだ。
この時、京介は気付いたのだった。

「だからB棟は、水の間か・・・・」

「京介、シャッターをどうにかしないと・・・・」

「そうだな。何か、ヒントがあるはずだ。」

京介と玲奈はしゃがみ込んでいる体勢から、どうにか辺りを見渡す。
だが、壁にも床にも天井にも、これといった変化はない。

「くそっ・・・ヒントなしか・・・・・」



「待って!!」



玲奈がシャッターに近づき、シャッターの下部分を探り始めた。
すると、パカッという音が鳴り、シャッターの下部分が開いた。隠し扉だ。
玲奈は手を突っ込み、小さな2つの箱を取り出す。

「何これ?」

「何が入ってる?」

玲奈が2つの箱を開けると、箱の中には赤いボタンと青いボタンが入っていた。
どう見ても、そのボタンは怪しい雰囲気を漂わせている。

「ボタン・・・。シャッターの開閉に繋がる物か・・・。もう一つは、なんだろう?」

「どっちか押してみる?2分の1で当たるし・・・」

玲奈の意見に、京介は賛同した。
今回は時間制限がある。迷っている暇などない。

「じゃあ、青いボタンを押すね。」



ポチッ!!




・・・・・・・・・・・・・




青いボタンを押しても、シャッターに変化はなかった。
2人は顔を合わせ、シャッターを見つめる。
その直後だった。


『火炎放射気トラップ、作動しました。』


謎の放送と共に、A棟のあちこちの壁から、無数の鉄製放射気が剥きだす。
そして、5000度を軽く超す火炎が放射し始めた。
それは、京介と玲奈たちがいる渡り廊下前の壁からも始まった。

「うおっ!!熱っ!!!」

火炎放射気に近づかなくても、熱風が2人を襲う。
玲奈は呆然としていたが、もう一つの赤いボタンを見た。

「こっちが本物・・・京介、押すよ・・・」

「あぁ。早く押して!!」

京介に急がされ、玲奈はすぐ様赤いボタンを押した。



ポチッ!!



・・・・・・・・・・



しかし、シャッターに変化はない。

「何!?嘘だろ!?」

「そんな・・・・・・・」

なんと、ボタンは状況を悪化させる最低の物だったのだ。


『A棟の温度を、50度から60度へ変えます。』


再び放送がA棟に鳴り響き、A棟の温度は50度から60度へ一気に変化した。
2人は温度の変化にすぐ気付き、その場から動けなくなっていた。

「SECOND STAGE、甘く見過ぎてた・・・」

「京介・・・もう駄目だ・・・・・」

玲奈はそう言い残すと、バタリとその場に倒れた。
京介も暑さで体力を奪われ、最早動くことができない。
開始から30分も経たないうちに、2人はその場で気絶してしまった。