ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─オーバーゲーム─4話UP♪ ( No.76 )
日時: 2010/10/14 15:45
名前: 鷹の目 (ID: ze9J8nGv)

【05】


B棟 “水の間”


シャッターが開いたことにより、B棟に溜まっていた水はC棟へと一気に流れた。
そのせいでB棟は2階の半分まで水が減り、3階から5階への移動が可能になっていた。
そして、京介は4階へと着いていた。

「これはひどいな・・・・」

水浸しの廊下には、椅子や机、教科書やノートが散乱している。
ずぶ濡れの制服を着たまま、京介は廊下を進んだ。
教室内も相当散らかっており、最早前の光景は広がっていない。

「4階で怪しいところは・・・・家庭課室か。」

京介は2年生の教室に隣接している家庭課室の前に来た。
ドアを開けると、中央に設置されたコンロ付きの6つのテーブルが目に入る。


「ん?」


京介は一番奥のテーブルの上に、謎の黒い箱が置かれているのに気付く。
どう見ても、怪しい雰囲気を漂わせていた。
水で濡れた床を滑らないように注意して進み、黒い箱の前へと来た。
箱は手のひらサイズであり、そこまで大きくない。


「・・・・これは!?」


京介が黒い箱を開けると、中には‘0713’と書かれた一枚の紙が入っていた。

「パスワードか何かか?ってことは、シャッターを開く可能性が高いな・・・・」

京介は小さくガッツポーズをし、紙をポケットにしまう。
そして、急いで下へ戻ろうと振り返ったその時だった。




「よぉ・・・・三谷京介・・・・・・」





京介は低い声と突然現れた‘ある人物’に驚き、足を止めて目を丸くした。
家庭課室の入口に、体育館で志村によって気絶させられた筈の四門がいたのだ。
四門は右手に金属バットを持っており、不気味な笑みを浮かべていた。


「俺のプライドに傷つけやがって・・・・。お前が根源だ、殺してやるよ。」


「ふざけるな。あれは、お前が悪いだろ。」



「うるせえぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」



ガン!!



四門はバットを振り上げながら、京介の元へ駆け寄る。
振り下ろされたバットを京介は避け、バットはテーブルに設置されたガスコンロに直撃した。
「プシュー」という音が鳴り、壊れたガスコンロからガスが漏れ始める。


「三谷ぃ・・・俺は、俺はクリアするぜ。この先お前は厄介な人間になりそうだから、ここで殺す。」


「平田、止めるんだ。お前は人を殺して何も想わないのか?」


「生憎、この性格と人格は父親譲りだからな。さっさと、その口を閉じさせてやるよ!!!!」


四門は再びバットを持ちなおし、京介の元へ走ってきた。
京介はとりあえず、家庭課室から飛び出して廊下を走る。
濡れた床に足を取られそうになるが、冷静に動いて階段までやってきた。


「待てぇこらぁぁぁ!!!!!殺してやる!!!!!」


四門は家庭課室を飛び出し、闇雲に廊下を走って京介の元へ向かってくる。
京介は階段を下ろうとしたが、洋一郎とアルジーにまで危害を咥えてはいけないと思い、5階を見る。
そして、5階へと向かい始めた。