ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ─オーバーゲーム─5話UP♪ ( No.77 )
- 日時: 2010/10/14 17:53
- 名前: 鷹の目 (ID: ze9J8nGv)
【06】
5階へと来た京介は、とりあえず何処かに隠れることにした。
四門が来る前に、すぐ手前の2−1組の教室に入り、後ろにある掃除箱の中へと隠れる。
ちょうど人が1人はいるほどで、隠れる場所には適していた。
「三谷ぃぃぃぃぃ!!!!!隠れんじゃねえぞ!!!!!!!」
やがて、5階に四門の奇声交じりの叫び声が響き渡る。
かなり怒っていることが分かるが、どうすればあれ程怒れるのかが京介には分からなかった。
ガシャァーーーン!!!!
叫び声の次に聞こえたのは、窓が割れる音だった。
恐らく、教室の廊下側の窓だ。しかも、このクラスから聞こえた。
「ばれないでくれ・・・・頼む・・・・」
京介は小さく十字架を作り、心の底から神に頼んだ。
声は聞こえないが、四門の荒れた鼻息が京介に聞こえた。
かなり近い。恐らく、もうこの教室内に入ってきている。
「三谷ぃぃぃ・・・・どこだぁぁぁい?」
四門は不気味な声を発しながら、教室内を徘徊していた。
カーテンの裏、教卓の裏、次々と隠れそうなスポットを潰して行く。
そして、四門は掃除箱の前へと来た。
「ここかなぁぁぁ?」
「ぐっ・・・・どうすれば・・・・・」
京介は一瞬頭に無数の考えが浮かび、瞬時にある行動へと出た。
そして、四門が掃除箱を開けた直後だった。
「おらぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
京介は四門の腹にパンチを喰らわし、そのまま頭を掴む。
四門は腹を殴られた衝撃でバットを床に落とし、そのままバットは床に転がった。
「くたばれぇぇぇぇ!!!!!!!!」
京介はそのまま思いっきり四門の顔面を床に叩きつけた。
四門は悲鳴を叫ぶ暇もなく、ただ鼻の骨が折れる音だけが聞こえた。
ボキッ!!
「ぐっ・・・ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
四門は顔を両手で覆い、そのまま床を転げまわる。
京介はその後は休まずに教室を飛び出し、下の階へと向かった。
────────
「くっ・・・うぅ・・・・・・・」
京介が教室を出て行って数分後、四門はようやく立ち上がった。
鼻は変な方向に曲がり、血が止まらずに出ている。
更には額も切れているらしく、額に横1本の大きな傷が出来ていた。
「痛い・・・・誰か・・・・・・・ちくしょう・・・・・・・」
四門は再び床に崩れ、そのまま這いつくばりながら教室を出た。
その姿は、完全に敗者の姿だった。
四門は今までに感じたことのない怒りと恨み、京介への殺意に嫌気がさしていた。
「絶対に・・・・殺してやるぅぅ・・・・・・」
四門はそう言うと、床を這いつくばりながら、ただ前へと進むだけであった。