ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ─オーバーゲーム─3話UP☆ ( No.9 )
日時: 2010/09/22 19:41
名前: 鷹の目 (ID: U3CBWc3a)

【04】

C棟 5階

C棟の最上階まで来た京介、玲奈、宗一郎の3人は、廊下を歩いていた。
最上階には特別教室しかなく、一般教室はない。
そのせいか、ビー玉を探している生徒もそこまで多くなかった。

「宗一郎って、5組の生徒なんだ。」

「あぁ。ところで、ビー玉はもう見つかったの?」

「一個だけね。」

玲奈はそう言うと、胸ポケットからビー玉を取りだす。
それを見た宗一郎は、目を輝かせて2人を見る。

「早いな〜ぁ。俺なんてまだゼロだよ・・・・」

「これから2個探すぞ。あの教室に入ろう。」

京介は、5階の一番奥にあるパソコン室に指を指した。
ドアは開いておらず、中から人の気配も感じ取れない。
3人はドアを開けると、パソコン室を見渡した。
パソコンが1列10台、計3列30台のパソコンが設置されてある。
一番前には先生用のパソコンもあり、プリンターなども置いてある。

「1列を1人で探すか・・・」

「その方が効率いいしね。」

京介の意見に2人は賛同すると、別々にパソコンの周りを探し始める。
その時だった。



「時限装置作動、残り10秒です。」



「は!?」


京介は突然動き出したパソコンに驚き、画面に現れた謎のカウントに呆然とする。
その画面は京介の目の前のパソコンだけでなく、この部屋全ての画面にカウントダウンが映っていた。
3人は顔を合わせ、嫌な予感を察知した。


「に、逃げろ!!!!!」


3人はパソコン室の出入り口めがけて走りだす。


「5・・・・4・・・・3・・・・2・・・・1・・・・」




「0」





カウントダウンが0になった瞬間だった。
眩い発光と共に、爆音と爆風が5階のフロアに襲いかかった。
3人はすぐ様、パソコン室の近くにある会議室Bに入り、ドアを勢いよく閉めた。
爆発の影響で、廊下にパソコンの残骸が飛び散ってくる。
それら全ては、たった5秒ほどの間に起きたものだった。


───────

A棟 5階


「なっ、なんだ!?」

B棟、A棟に先ほどの爆発で起きた振動が伝わっていた。
校舎が小刻みに揺れ、1組の教室でのんびりしていた洋一郎は驚いて立ち上がる。

「オー!?何事デスか!?」

洋一郎と一緒にいたアルジーも驚き、思わず辺りをキョロキョロし始める。
洋一郎は大きなため息をつくと、自身の席に再び座る。

「ソウ言えば、ドウシテほかのstudentはいないのデスか?」

「説明無理だわ・・・。とりあえず、ビー玉探せだとよ・・・・」

洋一郎がそう言うと、一番前に座っていたアルジーはポケットの中に手を入れ、何かを取り出した。

「ビー玉とは・・・このballのことデスか?」



「あ・・・?な、なんで3つも持ってんだ!?」



洋一郎はアルジーの掌にある3つのビー玉を見て、目を丸くした。
普通は手に入れた経緯を探るが、洋一郎にとってそんなことはどうでもよかった。

「そ、それなら体育館に行こうぜ!!」

「・・・・?いいデスよ。」


アルジーは疑うことなく、洋一郎と共に体育館へと向かった。