ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: エンゼルフォール ( No.86 )
- 日時: 2011/05/12 00:10
- 名前: 遮犬 ◆ZdfFLHq5Yk (ID: KnqGOOT/)
長く更新していなかったため、物語のあらすじをおさらいしますー。
次回以降から物語更新が始まりますw長らく更新していなく、描写力等も最初の頃とは違いますが、その点の違いはご了承くださいー
心の中で、声が聞こえた。
その声は、柊 陽嗚という一般男子高校生として暮らしていた少年を呼び覚ます。
目が覚め、目覚めた場所は何の変哲もない部屋。その部屋を出た先に続いていたのは、長い長い螺旋階段。
そして、大きな扉を見つける。陽嗚はその扉を開けて、飛び出した。
——エンゼルフォールと呼ばれる、生死の境界線を。
それから再び目を覚ました陽嗚は、幼馴染の遥という女の子に起こされてから気付いたことがあった。
それは、自分に記憶が全くないこと。いわゆる思い出と呼ばれるものが一切削除されていた。
だが、目の前にいる遥という幼馴染らしき女の子は自分のことを知っている。そう、記憶を失う前の自分を、だ。
それから分かったことは色々あるが、学校に行くにつれて登、未来と出会う間に皆を騙しているという自己嫌悪に陥る。
自分のいる意味は何なのか。こうして話しかけてくる友人達は、全く知らない他人であり、または昔の遠い友人。
その事実に、陽嗚はやるせなさを感じざるを得なかった。
その後、自分の部屋から何か記憶に思い当たるものはないか探し始めた陽嗚。
そこで見つけたのは、昔の写真と思わしきものと、ノート。勿論、写真を撮ったなんてことは覚えていない。どこか重要な物の気もするのだが。
ノートを覗くと、そこには『何のために生きて、何のために死んで、何のために生まれ変わるのだろうか』と、意味深な言葉がつづられていた。
『人は一度死ぬとエンゼルフォールという世界の天秤の場へと行く。そこは生まれ変わるのか、ただ死ぬのかが決められる場。世界のバランスを保つ場でもある』
陽嗚は「エンゼルフォール」という言葉を深く考える。
そう、自分は滝に落ちたのだ。そのことを思い出すと、途端にゾッとした。
『生まれ変わるためにはエンゼルフォールへと落ちなければならない。だが、生まれ変われる可能性は0.01%である。そして、生まれ変わった者は——』
と、書かれていたのだから。
つまり自分は——死んだことがあるのだ。そして、生まれ変わった。あの滝が、エンゼルフォールだとするならばの話だが、確信が持てた。
普通の日常で記憶が途端に失われるなんてことはまず起きないだろう。この事実は陽嗚にとって衝撃の走るものだった。
『生まれ変わった者は、もう一度自分へ生き返る。だが記憶は全て失われる、さらに天使代行として天使の力を授かる』
その次の文章にはこう書かれていたことにより、自分は0.01%の確率で生き返ったのだと知る。
すると、ノートの中から翡翠色のネックレスが出てくる。それを手に取った瞬間、目の前が輝きに包まれる。
そして、目の前にいたのは——女の子だった。
その少女は自分のことを堕天使と呼び、陽嗚のことをマスターと呼ぶ。
あのノートに書かれていた天使代行というもの。それはまさに陽嗚のことを差していた。
天使代行は堕天使と契約を結び、力を100%発揮できる。それは堕天使にも同じことは言える。
その少女は様々なことを陽嗚に教える。
天使と呼ばれるものは人の記憶を喰らい、存在を破壊している。それを滅するのが堕天使。
天使代行の目的は神のコンピューターと呼ばれる、ゴッドイレギュラーを破壊すること。それは世界の調律を狂わせている根源だ、と。
天使と出会い、陽嗚と少女は対峙する。そこでようやく、陽嗚はその少女の名前を知ることになる。
「旋風……(つむじ)。旋風ですっ!」
これが、始まりだった。
天使によって人の存在が消える。
そのことによって、ゴッドイレギュラーに力が加えられる。
世界の調律を制御しているコンピューターであるゴッドイレギュラーは、世界の改変——エンゼルフォールシステムと呼ばれるものをプログラミングされていた。
エンゼルフォールシステムとは、ゴッドイレギュラーを唯一操れる者、フォルティスによって作られたもの。
ゴッドイレギュラーは普通の打撃などでは決して壊れることはない。場所も不特定。
では、どうすれば破壊できるか? それはエンゼルフォールシステムを勝ち抜くことだった。
エンゼルフォールから記憶を喰らうために召喚される天使、天使代行、堕天使によるサバイバルがこのシステムの主な目的。
このシステムによって得られるもの。勝者はどうであれ、ゴッドイレギュラーに膨大な力を蓄えるということだった。
つまり、どうであれ世界の改変はとどまることを知らない。それを止めるには、今やプログラムだけの存在となったフォルティスを見つけださなくてはならない。
旋風は陽嗚にゴッドイレギュラーの破壊を共にすることを懇願するが、陽嗚にとって、自分のことで精一杯の状態で引き受けることは出来なかった。
しかし、旋風はそんな陽嗚を優しく抱き締めて声をかける。陽嗚にとって、それほど安らかなものは他になかった。
旋風には隠していることがあった。それは、本当に此処にいる理由だった。
もう一人の自分を探すためにこの現世界に来たということも目的の旋風を陽嗚はどう声をかけていいかよく分からなかったが、なんとなく心の境遇は分かった気がした。
旋風にも、記憶がない。自分と同じような気がした。
それから陽嗚たちは同じ天使代行という人物と出会うことになる。その者も同じように堕天使をつれて。
しかし、その者は陽嗚ではなく、旋風のみを痛めつける。そのことに陽嗚は怒り、駆けつけるがそこで見たものは、旋風のボロボロになった姿。
窮地に追いやられるが、レイヴンと名乗る男に助けられる。その後、陽嗚は旋風を治療したあと、よかったと胸を撫で下ろしたのであった。
エンゼルフォールシステムが遂に始動され、第一の関門とされる大量天使召喚を乗り越える陽嗚たち。
しかし、そこで見た者は天使は元々は人だという事実。
その残酷な現実を前に陽嗚は嘆くが、その声は誰の耳にも届かない。
それが、世界の本当の姿なのだから。
朝目覚めると、旋風の姿がなかった。それは旋風の決断でもあった。
旋風は——陽嗚を守るため、自らを犠牲にしようとしていた。
大切な何かをようやく知ることの出来た陽嗚。目の前に旋風がいない。それだけでこんなにも心に空白が出来るものだとは思わなかった。
力の限り探し、ようやく見つけ出すことに成功するが——既に遅かった。
旋風は血だらけの状態で陽嗚の名前を呼ぶ。落ちる冷たい手。雨がポツポツと陽嗚の全身を濡らしていく。
旋風の真下には真っ赤に染まった水溜まり。生気の抜けた顔と目に血色。それらを見て、悟った。
——死んでしまったのだと。無くしてしまったのだと。
悲しみと憤怒をあらわにした陽嗚にようやく天使の力が発揮される。
右腕に煌くガントレット。神の義肢手と呼ばれるものだった。
それにより、旋風を殺した魔天使と呼ばれるものを追い払うことが出来たが、レイヴンによって力の抑止をされる。
とどまること出来ない悲しみの力を抑えながらも豪雨の中、レイヴンは呟いた。
「交換条件だ。旋風とやらを助ける代わりに——お前に、俺の計画を手伝ってもらう」
並んで倒れる陽嗚と旋風を悲しく、雨が彩っていた。
こんなものですかねーw色々ややこしいとこ飛ばしたりもしたので、気になるとこがあれば読んで下さい(殴
それでは、再スタートと同時に新たな展開へと走っていきますwオリキャラも出させていただきますw
更新、閃光のテイルと掛け持ちになりますが、どうぞ宜しくお願いします;
(なお、修正等は少しずつしていきます。その点、ご了承くださいっ)