ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: その翼は。 ( No.1 )
日時: 2010/09/23 17:51
名前: アムロ ◆/0/V5vVlUM (ID: 5oJbC9FU)

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ!!

僕は——

(死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねッ!!)

本当は、どこかに居そうな、中学生のはずだったのに——今は

「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねーーッ!!」


だ  だ  の  犯  罪  者  だ  。



その翼は。一章



それは突然の事だった。

その時まで、僕は、特に特別でもない中学生だった——はずだった。


「お辛いかもしれませんがお子さんの命は、もう、1年ももたないかもしれません。いえ・・・良いところ、半年ですかね。」


僕は、そう言われた。

僕の耳にはそう入った。

自分はいつまでも、中学生のはずだったのに——


どうして、そうなっちゃったんだろう?


僕はそう思って、今、ここがどこなのかを考えた。

目の先には、白い——天井がある。

病院のベット。かな?

自分にそう聞いた。

聞いても答えが返ってくるだなんて思ってはいないけれど。

一応確信してから起き上がる。

真っ白い、閉ざされたカーテンの向こう側からは涙入り混じった父親の声が聞こえる。


「・・・お子さんは、いわゆる・・・肺がんです。」


僕が——ガン?

う、そ、だ。

なんでか、死ぬのは怖くないのに胸の奥に、何かが渦巻いてくる。

だんだん頭が熱くなって、衝動に駆られる——

僕はものすごい勢いでベットから飛び降りて、カーテンを、ものすごい勢いで開けてから目的もなく全速力で走り出した。

背中の後ろから何かの叫び声が聞こえる。

けれど、それでも僕はそこから走り出した。

走っていて、自分が裸足だという事に気がつく。

けれど、それでも、僕は走っていた。

ちょうど曲がり角のところで杖をついているおじいさんとぶつかりそうになった。
その人はすごい音で転んだけれども、僕がそれを気に留めたのは一瞬で。

その次の角が見えてきた頃、僕は叫び声とうめき声を耳にした。

角の前の部屋だ。

でも、僕にはそんなことはどうでもよく思えて。

けれど、その部屋の前を通り過ぎようとしたときに黒い何かにぶつかって後ろに転んだ。

「それ」は黒ずくめの、おそらくそこから出てきた人で。

そいつは僕を見下すと(目はよく見えないが)さっきまで居たらしき部屋に僕を押し込んだ。

今、気がついたけれどそいつの手には血のついたナイフのようなものが握られていた。

・・・?

一瞬間を空けてから僕はどうしてこうなったのか自分に説明しようとした。

つまり、僕は。

よからぬものに遭遇した。んだと思う。