ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Potential〜最強の男たち〜 オリキャラ募集中! ( No.100 )
- 日時: 2010/11/24 17:23
- 名前: ほすとさむらい ◆hLYmfkI/ok (ID: DxRBq1FF)
- 参照: http://www.newgrounds.com/portal/view/548926
「く・・・・」
血の臭いや死臭に塗れたこの部屋で氷川は抉られた右肩を押さえる。
「どうした・・・・それで終わりか・・・」
机に座っていた男が立ち上がる。
日本人だ。三龍会では日本人を多く集めていると聞いていた。
「く・・そ・・・」
男は氷川の目の前に立つと、言った。
「・・・・・終りだ」
第十三話[三龍会幹部・武田政宗]
ザァン!
_______その刹那、刀が飛び出した。
武田は寄せられたテーブルやイスの中に吹き飛ばされた。
「く・・・」
助けたのは桑原だった。刀を落とし、その場にまた倒れこむ。
「く・・・わばら・・・」
氷川は気が抜け、倒れこむ。
桑原は気を失っている。氷川はまだ抉られた右肩を押さえたまま、自分の『紫電』と彫られた刀を握り締め、気を失うのを堪えている。
必死の形相。汗がドクドクと流れて来る。
______来た!そう認識したのは1秒後の事だった。
ザクッ・・・・肉を刺す音。
男は一瞬の笑みを浮かべた。
————————だが・・・!
その1秒後、喜びの余り気付かなかったもう一つの肉を貫く音が頭の中で響き始めた。
一秒、その小さな単位が命取りである。男、氷川、勿論十分そのことは理解していた。
だが・・・・・
サパッ!刺した男の胸を氷川は肩まで引き裂く。
噴水のように肩から血が流れ男はその場に倒れこむ。
「く・・・・ブハッ・・・」
氷川は血を吹く。覚悟を決め男が刺した刀を勢い良く抜いた。
腹から血が大量に流れ出る。
「・・・ゥ・・・はぁ・・・」
氷川は真っ青になり、そのまま眠った。
ブゥゥゥゥゥン・・・・・
(ん・・・・?やけに落ち着いているな・・・?さっきまでの空気は・・・?)
「あっ!氷川!」
(・・・・?誰だ・・・?)
「お・・・起きたか・・・)
(え・・・?)
ハっと我に返り、起きた。
ブゥゥゥゥン・・・とエンジンの音。
「う・・・・」
腹が痛む。
「まだ起きちゃ駄目だ」
桑原が言う。
「・・・腹が・・・」
さっきまでおかしくなっていた男、氷川が言う。
「ああ。腹が刺されてる。一応包帯巻いておいたから大丈夫だろ。なんせもう・・・人間じゃねえんだしな」
桑原が笑う。
「俺は人間だがな」
高木が運転しながら言う。
「ああ。そうだな」
氷川は僅かに見える外の明かりや風景を眺めた。
「く・・・・」
男は立ち上がり、引き裂かれた胸から肩を見、オエっという表情をした。
刀を拾い、周りの仲間が死んでいることを改めて知った。
そして刀を鞘に納めた。
男はしゃがみ込み、仲間の一人の拳銃を拾い、ケツのポケットに入れた。
「刀だけじゃ・・・駄目か・・・」
男はニッと笑い、壁に『プラスチック爆弾』を設置し、中華料理店を出た。
数百メートル離れた草原でスイッチを押した。物凄い轟音と共に爆発したのがこの距離でも分かった。
そして男は冷やかにこう言った。
「俺の名前は・・・・武田政宗だ」
続く