ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Potential〜最強の男たち〜 オリキャラ募集中! ( No.139 )
- 日時: 2010/12/06 18:05
- 名前: ほすとさむらい ◆hLYmfkI/ok (ID: DxRBq1FF)
- 参照: http://www.doumori.com/bbs_talk/show.php?kiji_id
「そうだ!そうだ!」
大きな掛け声が聞こえるこの部屋はコロニーの地下4階にある『武道場』である。
広く、何もなく、あるのは天井の電球だけであり、四方八方、鋼の壁に囲まれている。
ポテンシャルである氷川、桑原がどれだけ戦っても潰れないためである。
いや、最も彼らが手加減せねば、このコロニー、いやコロニーはおろか、世界を滅ぼしかねないのだから_________
第十六話[鬼と翼]
また、彼、近藤もポテンシャルの一人である。隼身体向上道で特訓をしないのはこのためである。
氷川は中華料理店でつけられた傷がまだまだ生々しく残っている。
なんせ、昨日の夜のことなのだから。
桑原は傷が浅く、近藤の特訓相手になるには申し分なかった。
「は・・ぁ!」
近藤は気合を溜め、覚醒状態をコントロールする。
「すごい・・・・もうコントロール率80を超えてる・・・・」
桑原はiphoneのような機械を近藤に向けながら言う。
画面には、赤外線モードで近藤の周りだけが真っ赤に染まっている。
その中心にコントロール率80,26%と英語で書いてあった。
「ははは・・・すごい・・・」
氷川は傷を押さえながら折りたたみ式のイスに座っている。
扉の前では足立が手を組みながら見ていた。
「はあ!」
近藤が覚醒すると同時に桑原も機械を氷川の
ほうへ放り投げ覚醒した。
近藤は真っ赤な肉体に、鬼のような顔になり、いや、もう鬼同然であった。
桑原は近藤とは正反対に、薄い蒼い肉体に大きな翼が生えていた。
しかもスマートである。顔はさほど変わっていない。
「いくぞォ!」
近藤は手を振り上げ、走り出した。
「ああ・・・・」
桑原は翼を伸ばし、構えた。
近藤は手の周りに炎を灯し、地面に叩きつけた。
ゴワァっと炎を上げ、火柱が天井まで突き上げた。
桑原は飛び、かわした。
長い翼を大きく背後へ伸ばし前方に目にも止まらぬ速さで蒼白い嵐が吹き荒れた。
火柱は一瞬にして消え去り、その火を近藤が受け止め、肉体が更に濃さを増す。
近藤は吹いてくる嵐に手から大きな炎の球を放った。
音も立てず、精密に、確かに、速く近づいてくる嵐が炎の玉を呑み込んだ。
「ちぃ!」
近藤は迫り来る嵐に向かい、構えた。
ボワァっと嵐は近藤を包み込み、知らぬ間に現れた羽が嵐の中から飛び掛る。
「なに!?」
「甘い・・・・」
近藤の肉体をザザっと貫き、また嵐の中へ潜り込み、嵐は止んだ。
フワっと近藤は鉄の床に落ちた。血が流れる。だが思ったほど深い傷ではなかった。
近藤はまた立ち上がり桑原に立ち向かった。
「さぁ・・・・来い!」
続く