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Re: Potential 第二章開幕!オリキャラ募集中です! ( No.57 )
日時: 2010/10/20 18:38
名前: ほすとさむらい ◆hLYmfkI/ok (ID: DxRBq1FF)

第十三話[脱出⑥〜二人の脱獄囚〜]

研究所は死体と死臭に塗れていた。誰が殺したのかなど言うまでもない。
そう、モンスター化した菊池、近藤だ。

「神の子って・・・神が生んだんか?」
隼が聞く。
「いや・・・神など存在しない。神・・・?」
和泉が声を詰まらせる。
ドゴォーン!
「なに!?」
隼が音のする方へ目を寄せる。
「亜門・・・!」
和泉が声を上げる。
「くそ・・・やられた・・・」
亜門が吹き飛ばされた壁に凭れながら刺された腹を押さえる。
「くっそ・・・・」
和泉は言う。
「早く見つけるけん!」
隼が叫ぶ。
「とにかく亜門!こっちへ!」
和泉が研究所へ亜門を入れる。
「情けないな・・・俺」
亜門が言う。
「はは・・・あんな敵相手じゃあな・・・」
和泉が探しながら言う。

「しぶとい・・・・」
工藤が拳銃を向けながら近藤に言う。
「ああ・・・・!」
オヤジが言う。
「全く・・だ・・・・」
川田が骨折した右腕を抑えながら言う。
その刹那_________
ガァーン!
中心のエレベーターがペチャンコになり、スーツ姿の二人が姿を現した。
「あ・・・・紫電・・雷電・・・」
オヤジは驚きを隠せない。
「さァて・・・いっちょ暴れるか」
紫電がタバコを捨て、靴で踏む。
「おまえらは・・・・脱獄囚!ポテンシャル1号、2号!」
工藤が声を上げる。
「おお?覚えてたか。工藤信吾。あのときは情けなかったな。自ら化け物になろうとしたもんなあ。ただポテンなんちゃらって呼び方は納得いかねえなァ」
雷電が罵る。
「ははは。・・・・・今見せよう。真の姿をな」
工藤が言い放つ。その刹那、工藤の周りが暗黒の光で屈折し、矛盾したその空間が姿を現す。
工藤は3mほどの身長になり、漆黒の翼を伸ばす。体中が黒くなり、
目が鋭く赤く光る。筋肉は半端ないほど増殖していた。
「さぁて・・・まずは・・・殺そうか!」
エコーの掛かったような声で工藤が言う。
「とうとう化けの皮剥がしやがったな」
紫電が言う。
オヤジ、川田は驚いて声も出ない。
「なにが起こった!?」
和泉、隼、亜門も出てくるがすぐに黙り込んだ。
「よし。お前はこれで治療してやろうな」
雷電は近藤に近づき、一本の大きな注射を打った。
「うぐっ・・・なにをする!」
近藤が叫ぶ。
「大丈夫だ。正常に戻してやってるだけだ。これは“ポテンシャル中和薬剤第二段階”っていってな。化け物になったやつを治すことが出来る」
雷電が語る。
「おおお・・・!?」
近藤の体は見る見るうちに元に戻り、その場に倒れこんだ。
「よし」
雷電は言う。
周りは唖然としていて声が出ない。
「よし!おまえら!こっちへ来い!」
雷電が一同を誘い、研究所へ入れる。
紫電と工藤は向き合い刀を交える。
「楽しい戦いだ・・・ゆっくりやろうぜ」
紫電が工藤を誘う。
「ハハハ・・・言ってくれるなあ小僧が!」

続く