ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Potential 第二章開幕!オリキャラ募集中です! ( No.60 )
- 日時: 2010/10/24 16:42
- 名前: ほすとさむらい ◆hLYmfkI/ok (ID: DxRBq1FF)
「グハァ!」
太陽が燦々と照る中、一つの大きな雨雲が押し寄せてくる。
ポツポツ・・・と雨が降り氷川の胸を工藤が右腕で貫く。
「お・・・わりか・・・・」
氷川が血を吐き言う。
「終り・・・だな・・・だがここで殺すわけにはいかまい」
工藤は右腕を抜き、地面へ叩きつける。
「うぐぁ!・・・なに・・?」
氷川が地面に這い蹲り言った。
「お前は俺の事情で生きてもらう」
工藤が皮肉にも笑うと大きく翼を広げ飛び立った。
と同時に雨が激しくなった。
「へ・・・あのやろう・・・」
氷川は少し笑った。
第十六話[雷電、紫電の過去]
「足立の兄貴!つれてきました!」
高木は一同を事務所へ案内するなり奥へ叫ぶ。
「おう!こっちゃこい!」
足立が大広間へ呼ぶ。
畳がひいてあり、右には庭があり、奥には日本刀が飾られている。
893って感じの部屋だな、と思った。
「集まったか?わしは足立龍銅。足立組の組長じゃ」
足立が淡々と喋る。
「そちらは高木優斗。足立組直系高木組の組長だ。こっちはおまえらも知っていると思うが桑原大樹。雷電と名乗っておったのかな?」
足立が続ける。
「桑原と紫電と名乗っていた氷川は元々此処の構成員でな。今から五年前におまえらと同じ“特殊人材拘束機関”に幽閉されていたのだ。
あそこはな戦闘能力の高い人間ばかりを集めて幽閉している。犯罪者じゃなくてもだ。
理不尽な機関でな、明るみに出ることもない」
足立が続けようとしたとき、
「じゃあ俺もその理由で幽閉されたんか?」
隼が聞く。
「ああ。そうじゃな。殆どがそういう理由だ。そしてその後桑原と氷川が逃げ込んできたのがたまたま此処でな。面倒見ることになって構成員になった。
色々な仕事に役立っていた。だがあるとき、桑原と氷川が組を抜けるといった」
足立が続ける。
桑原が真剣そうな目で聞いている。
「わしはもちろん反対した。もし抜けるならケジメはつけると。だがな、桑原と氷川が幽閉されていたという事実やモンスターだという事実を知って、
怖さと悲しみに耐えられず逃がしてしまった」
足立が続けようとしたが、
「はい。迷惑がかかると思ったので」
桑原が言う。
「ああ。そういうことじゃった。それと本題に入るがな」
足立が言う。
「氷川は?」
オヤジが聞く。
「氷川か?生きて帰ってくるだろう」
足立が言ったそのとき・・・
ドゴォォォォーン!
庭に何かが落ちた。
「氷川!」
桑原が叫ぶ。
氷川はボロボロで血まみれの体だった。
続く