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Re: Potential 第二章開幕!オリキャラ募集中です! ( No.70 )
日時: 2010/10/31 20:51
名前: ほすとさむらい ◆hLYmfkI/ok (ID: DxRBq1FF)
参照: http://www.newgrounds.com/portal/view/548926

薄暗い施設に普段は入ることのないオレンジの光が仄かに差し込む。
死体と潰れたエレベーター、そして死臭だけが辺りを包み込む。
「くそ・・・・どうして・・・」
工藤は息を漏らす。
「・・・蒼白い翼・・・何故か見蕩れてしまいました・・・」
榊原がよく分からない表情で言う。
「見蕩れる・・・・・?」

第二十話[回想⑤〜氷川榊,桑原大樹の場合③〜]

二人と生き残った職員や処刑人たちはへなへなと地面に座り込んでいる。
暗くなりオレンジ色の光も弱くなる。
寒くなり、体を丸める。
ウウーン!・・・・サイレンの音が聞こえてくる。
「あ・・・・・来たのか」
工藤はほっとし、エレベーターがあった場所に立ち、上を見上げる。
「榊原、どうしてあのとき俺の名を呼んだ?」
工藤は上を見上げながら訊く。
「・・・・・あのとき・・・1号から牢獄に居た者とは思えない目をしていました。あれが・・・『神の子』の目なのだと思い、恐怖感でつい・・・」
榊原は答える。
「そうか・・・『神の子』・・・また現れるといいな」
工藤が言うと同時に上からロープが何本も下ろされ特殊部隊が下りてくる。
「大丈夫ですか!」
特殊部隊の一人は言う。
「ああ・・・」
工藤は答え上へ上がる。
他の者も特殊部隊に抱かれロープで上がった。
上がると駅のホームを思わせるかのような場所に出る。
そしてその前にはこちらから見てガラスがあり、外がはにシャッターがかかっている。
だが中心だけが割れている。
そこから光は差していた。
1号、2号はこれを破り外へ出たのだ。
「凄い・・・・」
工藤は息を漏らし、外へ出た。後ろからは職員たちと特殊部隊がペアになって出てきている。
特殊部隊に渡されたコートを羽織った。
施設をパトカーや特殊部隊の車が囲む。工藤はその中のパトカーに乗った。

30分前
1号,2号は大空を飛んでいた。
「気持ちいいなあー!」
1号はニコニコしながら言う。
「ああ!」
2号も言う。
だがいきなりの飛行だったため、翼が耐えられず下へ落ちていく。
「ああああああ!?」
2号が落ちていく。
「大丈夫か!?」
1号も心配している暇はなく落ちていった。
目が覚め、和室にいた。
「此処は!?」
外はもう真っ暗で寒かった。
隣では2号が寝ていた。
「おお・・・目が覚めたか?」
襖を開け、男が入ってきた。
「わしはここ、足立組の組長、足立龍銅じゃ。おまえらが庭に気づいたら寝取っての。だからこうして寝かした」
足立は言う。
「寝ていた・・・?」
1号は思い出し、ハッとなった。1号、2号は飛行中にこの庭に墜落したのだった。
「あの変な囚人服はコスプレかの?」
足立は若いにも関わらずジジィみたいな喋り方をする。
「いや・・・」
1号は理由を言えなかった。
「まああの服は捨てた。助けた仮じゃ。組に入れ」
足立は言う。
「・・・・」
1号は黙り込む。

1号と2号は足立によって氷川榊、桑原大樹と名づけられ、組に入った。

工藤と榊原はまた施設に戻るまでいろいろと時間がかかった。
施設の復興や、様々な問題があったからだ。
工藤は暇つぶしに菊池らの元へ行き、近藤たちを捕まえた。
菊池たちが施設に何故入ったかと言うと、工藤と共に成功を収めたからだった。
一方榊原は研究に没頭しており、施設に戻るまで一切顔を出さなかった。

第二章終わり。