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Re: Potential 第三章開幕!オリキャラ募集中です! ( No.75 )
日時: 2010/11/07 15:58
名前: ほすとさむらい ◆hLYmfkI/ok (ID: DxRBq1FF)
参照: http://www.newgrounds.com/portal/view/548926

会議で近藤が覚醒した翌日のこと。
男は黒い胴着を装備し、街を歩く。
田舎者のオーラが漂うその男には“街”という都会には似合わない。
男は地図を出し、「ああ・・・ここだったけん」と一息漏らし、ビルへと足を踏み入れる。

第五話[師範・隼大左衛門]

男が目指す場所はビルの3階に位置する。他は塾などである。
ザワザワと声が聞こえ始め、パン!というマットに叩きつけられる音が聞こえる。
ガチャン・・とガラス張りの重い扉を開け、入る。
髭のカッコいいその男を彼らは見覚えがあった。というより忘れられなかった。
「よう・・・」
ガッチリとした体で声を出す。
「・・・・隼師範・・・?」
白い胴着を着た男達が声を出す。
ザワザワし始める。
「悪かったな・・今まで来れなくて・・・」
隼は言う。
「本当に・・・?隼師範・・・?」
中でも大柄な男が訊く。
「ああ・・・。大桐毅・・・」
隼は答える。
「本当に・・・・隼師範だ!」
大桐は叫ぶ。
ワーっと歓声が上がる。
『隼身体向上道』というこの道場は隼が立ち上げたものである。
赤ん坊から老人まで、つまり年齢制限なしのこの道場ではガキから大人まで入っていた。
ここらじゃ有名な道場で、強いやつはみんなここに入ってるなんて噂もあった。
月、1000円払うだけで入れる道場は人気が高かった。
今じゃ、ここだけじゃなくて、第二師範・大桐毅が運営してる『隼身体向上道第二教室』なんてのも出来てる。
それも、学校の体育館の5倍くらいの大きな大きな道場である。
だが、隼が警察に拘束され、『特殊人材拘束機関』の牢屋に打ち込まれてからは
評判は下がる一方で入道者の8割は抜けていった。
第二教室もあれだけの面積が必要なはずもなく、売り払う破目になり、この第一教室だけになってしまっていた。
隼は事実を話さず、田舎へ帰っていたと偽った。
また、三龍会を攻めるというのは田舎にもう一度帰るということで誤魔化した。
その代わりまた帰ってきたら授業するということだった。
みんなを安心させるため、道場へ顔出ししたのだった。
「ふう・・・これで・・いいんだよなァ・・・・」
隼は夕方の街を歩き、足立組事務所へ帰って行った。
「明日が作戦会議かァ・・・・・」
隼は一息漏らした。

続く