ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Potential 第三章開幕!オリキャラ募集中です! ( No.79 )
- 日時: 2010/11/16 21:00
- 名前: ほすとさむらい ◆hLYmfkI/ok (ID: DxRBq1FF)
- 参照: http://www.newgrounds.com/portal/view/548926
ビシッ!何かを結ぶ音が聞こえる。
「よし・・・」
鏡の前で髪をセットし、短い髭はパパっと弄くる。
また彼、隼大左衛門のストーリーである。
クールでありながら漢気の強い彼のストーリーは玄関を出た刹那の一陣の疾風から展開する。
「・・・・ああ。いい風が吹きやがる・・」
第九話[師範・隼大左衛門Ⅱ]
やはり彼の格好はこの東京渋谷という都会には似合わないものである。
いや、田舎でも目立つのだろうか。ただコスプレにしてはクオリティが高い。
黒い胴着に黒い帯。デカい体。これら全てが彼らしさを引き立てている。
堂々と歩く彼に“過ち”などという言葉はない。傍から見れば恥ずかしいものである。
5階立てのビルに入る。ガラス張りの道場『隼身体向上道』へと足を一歩踏み入れた。
ザワザワとしていた空気が一変し、沈黙へと変わる。
「あ・・れ?田舎に・・・帰ったんじゃ・・・」
隼よりは小柄だが人並み以上に大きい大桐毅が驚き留まる。
他のメンバーもそうである。
「いやあな。一週間先まで延長してな。一週間はここで稽古つけてやろうと思う!」
隼が言う。
ワッーと歓声が上がり、メンバーたちが隼にタックルをかける。
「やるか!?」
隼は構えを取り、100人はいるであろう者達を止めた。
「うぐぅ・・・」
隼は堪え、両手をパンっと閉じ、メンバーを端まで吹き飛ばした。
メンバーたちはみな壁にぶち当たり倒れこんだ。
「ふぅ・・・」
隼は呼吸を整える。
メンバーたちは笑いながら立ち始めた。
「すごいですね!」
次々にそんな言葉が返ってきた。
「さぁて私が行きましょうか!」
大桐が構えを取り、突進してくる。
「ははは!」
隼は蹴りをかわし、腹に一撃くらわす。
「ぐはっ!」
大桐は腹を抱え、倒れこむ。
、と思いきや前転し、両足で隼の首を掴み、ぶら下がった。
「ぬっ・・・やるな・・!」
隼は答える。
「腹・・・ヤバいっす・・・w」
大桐は苦笑いを浮かべるとそのまま隼の足の間を通り抜け、背後からパンチを入れてきた。
「利くか!」
隼はそれを方向転換し、かわす。そして背中を抱え腹に蹴りをいれ、顔面を殴り吹き飛ばす。
ドゴォォォォォン!
壁がパリパリ・・・と割れ、外が見えた。
ヒュウウウと風が吹き、沈黙。
「・・・お強い・・・・」
大桐は血まみれの状態で立ち上がる。
「大丈夫か?」
隼が申し訳なさそうに訊く。
「ええ・・・・」
大桐は後ろの少し穴が空き外が見える壁を見つめ言う。
「・・・こりゃ工事せんとな・・・」
隼は苦笑いを浮かべる。
メンバーたちは唖然として声を出せない。
「はあ・・・強すぎますよ・・・」
大桐はポカリを飲みながら言う。
「ああ・・・・これはただの“力”じゃない・・・」
隼が言う。
「・・・どういうことです?w」
大桐は笑って返す。
「・・いや、ただの独り言だ。気にするな」
隼は答え、拳をギュっと握った。
続く