ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル ( No.106 )
- 日時: 2010/10/30 22:25
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
「さぁて、クィリー。どう料理してほしい? 殺しまではしないが、当分這っててもらう」
ジャックがクィリーに対してこの上なく冷たく言い放つ。
だが、内心怯んでいるのはジャックの方だ。
相手はチェスの力を操る兵隊、トランプの力を開花させていないジャックのかなう相手ではないし、開花させればそこでジャックはトランプに適合後拒絶されて命を落とす事になる。
唯一の武器は、未だジャックの使った事のない型を無限と秘めている夢想だけ。
「でかい口をたたきやがって、学生時代の俺は確かにあんたに劣っていたよな。成績も、何から何まで全てあと少しで及ばなかった。だからこそ、強くなれるらしいけどな」
その言葉を言い終わるか終わらないかの直前に、ジャックは見えない何か壁のような物に弾き飛ばされた。
飛ばされた先は、息苦しい。
今の今まで居たのはアイツのシールドの中か!
だが、どうしてシールドの中に入っているのにもかかわらず、攻撃をしてこなかった?
次々と浮かんでくる疑問を、ジャックは無理やり押し込めると刀を回して臨戦態勢へと入った。
毎度毎度刀をくるくる回すが、特にこれと言って意味は無い。
ただの癖のような物だが、それすらを相手は警戒している。
あまり長引くと、こっちがきついな。
ここはとっとと、
「片つけて先進ませてもらう!」
「そう簡単に進ませてたまるかよ、俺はあんたと言う壁を越えて完全な兵としてこの世界に君臨する!」
「この世界に君臨するだぁ !? 場かも休み休み言いやがれ、この世界はもう数時間で消えるんだよ! 君臨しても消えたら意味ねぇだろうが!」
「消えても良い、俺はあんたを越す事を目的にチェスに志願したんだ!」
クィリーの口調は本気そのものだった。
説得できる物ではない、やはりここで這わせるしかないのか。
出来れば知り合いにそんな事はしたくない、
「お前は馬鹿かよ! 俺を超えるんだったら、俺の剣士として頂点に君臨した時間を越えやがれ! そんな上言って直ぐ世界が滅びてもいいだの抜かす馬鹿はただの軟弱野郎だ!」
ジャックの刀が、クィリーのシールドとせめぎ合う。
硬度は相手のシールドの方が硬い、だがジャックの刀で切り破れる……!
このまま勢いで押し込めば、
「どうしたよ、さっきまでの威勢のよさは! 俺がシールド貫いてきた事がそんなに怖いか、そんなに恐ろしいか! 死の足音がしない分だけ良いだろうが、この馬鹿がッ !」
ジャックの渾身の一撃がクィリーのシールドを貫く!
その崩れたシールドを張りなおす間など与えずジャックはクィリーの首に見値打ちを一撃当てる!