ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル ( No.127 )
- 日時: 2010/11/02 17:27
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: xiz6dVQF)
ジャックはその場で自分の怪我が動ける程度に治っている事を確認すると、刀を手繰り寄せるとそのまま立ち上がって夢想を構えた。
いくら男爵であろうと、2人相手にはきついだろう。
それもジャックとは違い、相手の1人が魔神。
男爵の顔が皮肉そうに引きつった笑を浮かべていた。
それを見た宗一郎が、楽しそうに大剣を構えると、
「誰が俺の相手をしてくれるのかなぁ? 一番強そうなのは……やっぱり男爵、君だよねぇ」
グルングルンと片手で大剣を回す。
なんつう怪力……!
回転させている大剣が、回転しながら徐々に炎を纏いはじめる……。
「男爵、君死ぬ準備は万全 !? 俺は殺す準備万全だよぉ!」
髑髏のプリントされた黒いTシャツが、いつの間にか男爵の目の前へ……!
そこで一気に……、
「振り下ろしっちまうよぉ !?」
振り下ろすと共に大剣のまとう炎の大きさが一気に膨れ上がる!
温度も一気に上昇しているらしい、ジャックの怪我を治癒させていた雪だるまが瞬時に蒸発し、近くの金属の壁が壁だった痕跡を残さずに崩れ落ちる!
「俺の得意技、究極の轟炎だよぉ! 避けないと——」
「俺が死ぬのか? 残念な話かもしれないが……」
振り下ろされた灼熱の大剣を片手で受け止めると熱で溶けた金属の壁だった物の中へと大剣ごと男爵は宗一郎を投げ入れた。
熱を失った半液状の金属の塊は、宗一郎を飲み込むとその場で固まった。
コイツは絶望的だ、ここはやっぱり、
「俺がまた出るしかないのかな?」
ジャックが刀をクルリと回しながら男爵を切りつける!
特にこれと言って夢想を使ったわけでもなく、男爵の体はいとも用意に、自らを傷つける刃の一撃を受け入れた。
……可笑しい、手ごたえが無さ過ぎる
ジャックがもう一撃切りつけようと男爵の方を向いた直後だ。
事が起こったのは……!
その場には男爵が、
「居ない……?」
「ああ、居る訳ないだろう? 私を倒せるわけが無い、そう言っていたのは紛れも無くジャック、君じゃないか?」
「俺が……そんな事言ったっけか?」
会話が終わるや否や、ジャックの腹に容赦ない剣が猛突する!
“シュッ”
と言う刃同士が擦れるかのような音が、男爵を唖然とさせた。
ネルが剣の横腹を盾に、男爵の剣を封じた。
「私の存在、忘れてない? 猛者は居ること忘れちゃ駄目よ 、いつ殺されるか分からないでしょ?」