ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル オリキャラ募集中 ( No.16 )
- 日時: 2010/10/07 08:26
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
ジャックの寿命まで後残り2分、やはり大暴れしていたセキュリティAIのレイリーはジャックの前に立ちふさがっていた。
ジャックと言えど、レイリー相手には手も足も出ないほどの実力差があるのが分かっているらしく、ただただ倒す事ではなく逃げる事を前提に戦っている状態だ。
先ほどの少年との戦闘で体力を消費したジャックならなおさら勝てる相手でもなく、万全でも勝つ事は難しいような敵と言っても過言ではない。
三十六計逃げるにしかずって言うし、
「逃げるか」
「逃がしませんよ、貴方はこのまま放っておくと神の手を煩わせるまでになってしまう」
数年前までは滑舌も悪く、単語単語でしかの会話が出来なかった彼女だが、人間の科学力はすばらしい。
つっかえる事無く流暢にしゃべれる所まで進歩させる事がほんの数年の研究で可能になってしまったのだから。
その上学習能力、演算能力は人間をはるかに凌駕する。
普通に勝てるわけが無い。
寿命まで、残り50秒。
ジャックは必死に抵抗を続ける。
ここまでくればどうにでもなれ、夢想……、
「夢限型式、疾風の如く」
切り倒す!
ジャックの刀がレイリーの首元を突き抜けるも、平気な顔で刀を掴み、レイリーは刀をジャックごと投げ飛ばす!
女とは思えない程の怪力で、軽く60m近くもジャックは吹き飛ばされた。
肉弾戦では勝ち目が薄い、それに俺は後10秒で死ぬ!
レイリーはジャックの読んだ通り肉弾戦で来ていたが、計算外の要素は他にあった。
刀を構え、レイリーに意識を集中しきったのがまずかった。
ジャックの心臓を、紅い光線が貫いたのだ。
この光線は、さっきの少年が放った物。
マジかよ、
「仕留めそこなったな、次からはもっときちんと殺せよ」
「言われなくともそうしてやるよ!」
ジャックの寿命まで後3秒。
刀を少年に突き立てようとしたその時だった、ジャックの頭を黒い影が覆った。
クソッ!レイリーか!
ジャックの寿命まで後2秒。
レイリーは10mほど上の空中だ、こっちが突刀をき立てて迎え撃つ時間は十分にある!
ジャックの寿命まで後1秒。
何が起こったかなど分からない。
ジャックが刀を振り下ろした直後少年が消え、レイリーも空中で何者かに吹き飛ばされた。
その何者かは、
「罪木君、お疲れ。中々いい演技だった、ジャックをここまで騙すなんて期待以上——…」
罪木と少年を呼び、ジャックにも見覚えのある人物だった。
そう、ネルだ。
ジャックは開いた口がふさがらず、
「どうなってんだよ !?」
反射的にネルを問い詰めた。
それを見てネルは軽く笑うと、
「君を試したんだよ、無意識に流されているようじゃ世界が滅亡しちゃうからね」
「試しただって? ふざけるなよ」
ジャックを軽く小突いた。
「ってぇッ! 突くな!」
「良いじゃん、大した怪我でもないんだし。にしても驚いた、わずかな夢想の文献からあそこまで技を完成させてるなんて」