ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル ( No.2 )
- 日時: 2010/10/03 17:04
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
- 参照: 齢=よわい(年齢)
戦争って、やなモンだ。
そこから複線を引くと、人間やってるのも嫌になる。
殺すのばっかし金かけて、助けられる物も助けず、自らの兵士を捨て駒とする。
「ったく、俺はテメーらの玩具じゃないっての」
そう呟いたのは、点を仰ぎ見ながら死体の山の上で剣を死体から引き抜きため息をついた黒髪の少年。
彼はジャックと呼ばれる精鋭剣士の一人で、齢13にして入隊し現在17歳の天才と呼ばれる剣士だ。
通常は16歳での徴兵制度があり、その時に入隊するのだが、彼の場合はそのとき孤児だったのをいいことに、政府での戦闘訓練を積み重ね、幼少の頃から人を殺すと言う事が生活の一部と化していたのだった。
そして、剣士といっても数多の魔法を扱い、剣技以外の面での才能が強く、彼はあらゆる戦闘部隊から引っ張りだことなっていた。
しかし、彼は上の命令を聞かない。
理由はなぜかって?簡単な理由だ、
「俺のダチ殺したくせによ、よく協力すると思っていられるもんだ」
仲間を殺され、家族も殺され、孤児院出身だが、その孤児院すら戦火に包まれ、一人で力を道具に地獄の釜のそこからのし上がり、今がある。
彼は孤独で、仲間に飢えていた。
彼の足元の死体の山も、同じ部隊所属の人殺し大好き人間の首が転がっている。
そんな彼を見つめるようにして、一人の少女が近づいていく。
金の長髪を束ね、青い瞳をジャックへ向けていた。
死体の山を恐れる事などせず、むしろよくやったと言わんばかりに微笑んでいる。
ジャックの、
「お前だ——…」
言葉が終わるまえに、上空戦が展開され、彼の上から巨大な打ち落とされた戦闘機がジャックに吸い寄せられるかのように落下する!
しかし、それも粉微塵に切り刻まれた。
ジャックの剣技であり唯一型のある武器、
「夢想……覇双刀」
「へえ、夢想なんて使えるの。人間にしては良くできたね、そのまんま私に突っ込んできて殺す気でしょ? そうはいかないよ」
夢想を意図も簡単にその少女はかたてで止めて見せた。
剣を素手で止めると言うだけでもありえない話なのに……片手で軽々と !?
こいつ……、
「お前、何モンだ? 敵か?」
「どっちでもないよ。帰ったらふる〜い文献で調べてみなよ、ネル・F・ブラッドレーって海賊をさ。これは置き土産よ、自由に使っていいから」
ネル……?
聞いた事無い、何モンだよこいつ!
こんな時代だ、男だろうが女だろうが強ければ名を上げられる。
そんな時代に無名でこの強さの奴が居るのかよ !?
「ずいぶん趣味のわりぃ指輪じゃねえか」
「それは君の才能を伸ばす、捨てるも使うも君しだいだよ」
その言葉と共にその少女は消えた。
なんだ、あの女は……?