ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル オリキャラ募集中 ( No.44 )
- 日時: 2010/10/23 23:29
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
海の上、たった二人が海面を駆け抜け剣を交えている。
片方は小柄で、金色の長髪が目立つ。恐らくネルだろう。
その敵は、魔神の仕事の対象。つまり、魔術の異常使用者と言った所だ。
両者共に一歩も引けを取らず、リズミカルな動きで相手の攻撃を受け流し、反撃していく!
クルリと片方が剣を手の中で操り、隙を突いて攻撃を仕掛けてきた相手の剣を粉砕する!
「残念ね、後数千年長く生きていたら私にも届く力を得たかもしれないのに」
そういうと、剣を再びクルリと回すと相手の心臓へと突き立てた。
一気に血液が剣を伝い、ネルへと飛び散る。
しかし、今にも死にそうなそいつは不敵な笑みを浮かべている。
まるで、何かの発動条件を満たしたかのごとき笑みを……!
血液が媒体の魔術、何がある !?
ネルの頭に一つだけ浮かんだ。
「まさか、死神の力を持っている……?」
「ああ、そうだ」
ネルの時間が一瞬だけ凍りつく。
当たり前な話、死神は死をつかさどる神だ、その能力は命を奪う物以外に存在しない。
もちろん魔神などの変身後の不死鳥の血液などとは違い、死神の血液は正反対の働きをする。
そう、この血は、
「君の名前は分かっている。名前を呼んで、死ねというだけでボクの勝ちが決定した」
ネルはその言葉に一瞬恐怖の表情を浮かべるが、その表情は直ぐに消えた。
むしろ、何かを確信し、絶対に殺されないと言う自身に満ちた表情に……!
しかし、そんなもォ死神の力の前では虚勢としか言いようがないと思ったのか、クックックと不気味に笑うとそいつは、
「ネル・F・ブレッドレー、死ぬがいい」
死神の力を躊躇なく発動した。
もちろん、条件は満たしている。即死レベルのダメージを受け、その時の返り血を相手に浴びせ、相手の名前を呼んで“死ね”と言うだけ。
—————死神は死なない、簡単な事だ—————
その考えが仇になった。
魔神は、変身後に不死鳥と化す。
不死鳥の血は、不老不死を与える。
そう、戦闘を行った時から、死神の能力者が不死鳥の能力を持った物に挑んだ時から結果は決まっていた。
ネルはいつか買ったクッキーをポケットから取り出すと少し齧り、そのまま口に咥えると剣を構えなおした。
死神では、
「不死鳥は殺せない」
ネルの言葉が水平線を駆け抜ける。