ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル    ( No.48 )
日時: 2010/10/24 17:07
名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)

戦闘において、最も大切なのは戦闘能力、殺傷能力だ。
それが、最も高いとされているのが死神だろう。
だが、その死神にも欠点や、相性などの関係は存在する。
たとえば、何でも殺せる死神と、どうやっても殺されない不死鳥とでは矛盾が生まれる。
その矛盾は、完全な神を不完全へと変える。
矛盾こそ、この世で最も強い武器なのだ。

「さて、問題。何でも殺せる死神と、どうやっても死なない不死鳥。どっちが勝つでしょうか?」

「さあな、殺したほうが勝ち。それが真理だ」

ネルの問いかけをあざ笑うように相手は言い放ったが、ネルは顔色一つ変えずに言葉を続ける。

「正解は、何でも殺せる死神が死ぬんだよ。死なない死神じゃないからね、矛盾こそがこの世で最強の武器なんだ。死なない不死鳥を殺せる死神とでは矛盾が発生し、不死鳥は死なないし、死神では殺せない。そうなればそこを無視して残る要素を見ればいい、不死鳥の敗北は有りえない。残った要素は不死鳥の勝利と死神の敗北だけ。簡単でしょ? それに、死神は死ににくいだけで不死じゃない」

その言葉を言い放った直後、ネルは再び相手へ剣を向ける。

「このまま降参して力を放棄するのなら見逃してあげるけど、どうするの?」






「畜生ッ!」


見渡す限りの水平線に、相手の叫びが空しく響く。






「任務完了、次はゲームの能力回収か。面倒だな……」