ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 凛として迎え撃つ嫌われ者 VerⅡ ( No.5 )
- 日時: 2010/10/01 16:37
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
- 参照: 夢幻=「ゆめまぼろし・むげん」 読み方はどちらでも
出て行くか行かないかで躊躇してい場合ではない、今にも大人数でここまで踏み込まれたらアウトだ。
しかし、その判断は難しい。
出て行った直後銃殺がレールガンであれば俺の命は確実に無く、ただの銃弾であればぎりぎり回避できる。
しかし相手は魔術使用に特化した戦闘部隊だ、恐らく使うのは前者、つまりレールガンの方だ。
仕組みが割れていれば電撃系の魔術でどうとでも応用しての使用が可能となる。
実際に、5974年に発動された例が残っている!
今のこいつらが発動できないわけが無い。
それに、
「貴様は完全に包囲した。武器を捨てて投降せよ! 繰り返す、武器を捨てて投降しなさい!」
とか言ってるし、捕まれば捕まったで殺されるのは目に見えている。
それに、夢想による広範囲技は奥義以外に存在しない上、奥義は1日に多くて3発が限度、3発打てば疲労でこちらが動けなくなってしまう。
今の間合いを計算に入れれば、奥義ですら15発は使わないといけない。
困ったな、
「どうする、考えろ!」
その言葉を必死に自分に言い聞かせる。
パニックになってはいけない、敵はこの場か広い敷地からこの建物を円状に囲っている。
今ここにあるのは役に立たない死体と、カーテン、机、椅子、筆記用具、何処のドアの物かも分からない鍵の束etc……。
しかし、そんなもの役には立たない。
ジャックはそのまま覚悟を決め、
「投降なんかすっかよ! 俺が結局死ぬとしても、テメーら全員道連れにしてやる!」
堂々と正面入り口から外へ出た。
小旋風を構えゆっくりと、確実に構え、迎撃体制を整える。
「夢想奥義……」
そのまま近くに居た兵隊達へと刀を振り下ろす!
奥義、夢幻!
それは一瞬にして何が起こったのか把握させる暇も無く強烈な反射光と共に数千人の命を消し去り、放った後にはクレーターが残っている。
夢幻は魔術使用は一切無し、自身の体力勝負一存だ!
それを知ってか、
「引け!引いて遠方より魔術で呪殺しろ!」
隊長らしき男が命令を出したときには直ぐその横にジャックは居た。
刀を構え、
「テメーが頭か、悪いが死んでもらう」
目にも留まらぬ速さで首を切り落とし、メガホンを奪い取ると最大音量で、
「テメーら刀の錆びにされたくなきゃとっとと引きやがれ!」
怒鳴り散らした。
ジャックの体力は頑張れば夢幻が二発撃てる。
それに引き換え、こいつらは統率性を失った。
ここまでくれば何とかなる!
そんな事を考えた矢先、ジャックの腹を隊長の剣が貫通した。
「クソッ! ……腰巾着共がッ!」