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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界を舞台に魔術【バクチ】の勝負 ( No.6 )
- 日時: 2010/10/02 12:57
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
刺された箇所を確認すると、とっさにジャックはポケットの中から紅い液体の入った小瓶を取り出すと傷口へと流した。
ジャックは痛そうに顔をしかめる。
そのビンには、神殺しと書かれたラベルが貼られ、見ればアルコール度数は脅威の98%、まさかこれを……、
「痛み止めだ!」
ジャックは一気に残っていた酒を全て飲み干した。
17だろ、ダメだろ飲酒!
そんな事など関係なしに、本当に痛みが引いたらしく動きがまた早く、鋭く変化する。
しかし、それもつかの間の事だった。
痛みを止めると比較的動ける、それだけなのだ。
剣が突き刺さった所は既に致命傷、鮮血がジャックの駆け抜けた道を標していた。
痛みを止めようとも、体の限界を超え、跳躍出来るわけではないのだ。
「そうか、俺はここで死ぬのか。思ったより……長かったな」
殺した人間の数は凄まじく、世間からの悪評を一気に引き受けた彼を哀れむ者など無く、ただ彼は、その場で息を引き取った。
一言の文句もこぼさずに——…。
「君、天才なんだって? じゃあ今殺すのは勿体無い、精々私の玩具として生きてよね」
そんな彼を見ていた者が一人、静かに呟いた。
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