ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル ( No.82 )
- 日時: 2010/10/28 20:06
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
しかし、まさか暦が来るとは思いもしなかった。
驚いたまま、ジャックは暦と行動する事になったが、強い敵ほど仲間になったときは心強い見方だ。
進むと直ぐに、暦が曲がり角で歩みを止め、
「何かが近づいてきてる、それも覚えがある」
その言葉の直後、背の高い血まみれ坊主頭がぬっと両手に警備兵の死体を引き吊りながら現れた。
どうやら、敵になりそうには無いが、見方になりそうにも無い……。
最悪、ここで戦闘になりかねない!
「アレンか。お前、ここで何してる……?」
ジャックは問いかけると同時に流れ星を手の中でクルクルと回して構える。
それに対しアレンは、いつ攻撃されても迎撃できるようにだろう。
手の平でどす黒い炎を灯し、相変わらずゆっくりとした口調で、
「魔神様直々のご依頼だ。魔族である私にとって、魔王様の上を行く存在。私に断る理由も無く、喜んで引き受けた」
どうやら、ネルは魔族の中ではかなりの重要人物らしい。
感情の殆ど無いアレンですら仲間に付けているのが良い証拠。
その直後、上のフロアで爆発音が響いた。
その直後、ジャックたちの真上。
つまり天井が音を立てて崩れ落ちる!
それを確認してか、一人のサングラス男が飛び降りてきた。
赤い髪がかなり印象的で、コートはあらゆる所が破けたり裂けたりしている。
その場に居た3人ともが身構えるが、
「無駄無駄、俺の前では構えも意味を成さねえよ。つーか、お前ら誰だ? 何でここに一般人……じゃあねぇらしいな。その刀は……ジャックとか言うトランプ適合者に、涼岬 暦とか言う餓鬼魔族、そんでお前はアレンとか言う魔族と来た。何してるんだ? 打倒 第3研究所ってか? あいにくだが、俺が既に粗方片付けた、多分猛殆ど兵力も——…」
言葉の途中、ジャックの右こめかみを銃弾が掠める。
それに対しジャックが迎え撃とうとしたその時だった、発砲した兵士が泡を吹いてその場に突っ伏した。
今の今までしゃべっていた男が、発砲した兵士の頭を握っている。
「さて、話を戻す。俺の邪魔をする気か? そうなのならば、今すぐ黄泉に送るから覚悟しろ。邪魔をしないのであればまあ、勝手に暴れてくれ。どうすんだ?」
男はただそれだけを言い放った。
それに対し、ジャックは考え込み、アレンは聞き流す。
暦が何かに気づいたかのように、
「その能力は……」
問いかけようとすると、途中で言葉をさえぎられ、その問いの答えが帰ってきた。
「そうだ、俺は赤喰 禮瞑。政府のゲーム研究所の警備兵の一人だ。実験内容を知って、内部からぶっ壊すつもりだったんだがな」