ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル ( No.85 )
- 日時: 2010/10/29 17:34
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
赤喰の言葉が終わると共に、
「居たぞ!」
と言う警備員の声が殆ど溶けてもはや廊下とも言いがたい通路を駆け抜け、ジャックたちの意識が一瞬にしてそちらへと引き付けられた。
その直後、今度はジャックの耳元で、
「駄目だよ、みんなで同じ方向いちゃ。後ろから敵が来たらどうするの?」
女の声。
その声にジャックは無意識に刀を向けると、そのまま切りかかる!
しかし、止められた……!
あろう事か素手で、出血もせずどこかの魔神の如く平気な顔をしている。
この顔、見覚えがある。
「クィーン様が何故ここに居る? 本部護衛任務中のはずだろう?」
ジャックは刀を引き、手の中で回転させると構えなおした。
クィーンは、トランプ、チェスともに最高位の兵隊だ、自分より地位の低い物には絶対的な強さを誇っている。
その理由は、絶対命令権。
つまり、逆らえない命令を発せられる。
そう、女王の命令はこの男には絶対の命令なのだ。
「ジャック。君、ここで自害しな」
意識もなく手が刀を握りなおすと喉へと押し当てる……!
マズイ、殺され——…。
そんな事を考えた直後だった、ジャックの腕が何者かに握られ、持っていた刀の刃がクィーンへ向く。
「殺す相手とお喋りしてたら危険だって、用兵育成学校で習わなかったのか? お前の死因は油断のしすぎだ、こんな雑魚だけで俺たちを押さえ込めるとでも思ったか?」
……赤喰だ。
つーか……、強さが半端じゃないな。
「思いのほか早い援護で」
「援護? 馬鹿を言え、敵がここに居たから殺す」
その言葉の直後、赤喰はクィーンの頭に触れるとその顔が激痛にゆがむ。
そのままクィーンは膝を突き、前のめりに倒れる。
再起不能なことを確認すると手を離し、
「俺のしていることはそれだけだ。お偉いさんの顔なんざ知ったこっちゃねえ、この研究所を空っぽにすればこの計画も消えるだろ……?」