ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 世界をボードに魔術【ゲーム】のバトル ( No.91 )
- 日時: 2010/10/29 16:58
- 名前: Neon ◆kaIJiHXrg2 (ID: NN.yKTYg)
さて、
「こんな所で油売ってる暇があるんならさっさと先言った方がいいぞ? 神の判断より俺の独断に頼るのなら手伝ってやるが……?」
「遠慮しとく、俺らは俺らで全員目的を持って動いている。お前の判断には頼ってはいけない」
ジャックが赤喰の提案を却下すると、その場で別れを告げて赤喰の開けた天井の大穴から2階へ侵入。
チリチリと炎が酸素が足りぬかのように燻っている。
2階に上ったとたん、異臭と軽い息苦しさがジャックを苦しめた。
どうやら、一緒に居た魔族である暦とアレンには感じ取れない異臭らしい、まったく気にかけていない。
魔族には感じ取れない臭いなのか、トランプ適合者のジャックだからこそ感じ取れる臭いなのか……。
その疑問は、ジャックの脳内で直ぐに結論が導き出される。
上から来た赤喰は常人、つまり妙な力に頼っていない人間。
あの赤喰が平気な顔で居たのだ、この臭いはトランプかチェスの適合者にのみ感じ取られる臭い……!
これが毒になるか、はたまた酸素にでもなるのかは知らないが、異臭の時点でいいものではないことは確実。
ジャックは大穴をまたいで1階へと降りると、
「どうやら、2階からは異様な臭いがする。俺にのみ作用しているらしい、お前らだけで調べてみてくれ。俺は非常用のガスマスクが無いか探して後を追う」
そういい残すと、周囲の消火栓を片っ端からこじ開け、マスクを漁った。
だが、どういうことだ……?
ガスマスクが一つもない!
もう少し、もう少し考えろ。
考えるんだ俺!
2階に上がって何があった !?
あの臭い以外に——…燻っている、炎……?
燻っていると言う事は、可燃物はあっても酸素が……無い?
あれは、燃えない酸素の臭いか……?
ならば、俺を苦しめていたのは……?
炎と同じもの、
「あれは、適合者と炎には酸素として扱えぬ酸素だ……。どうやって、進めば良い?」