PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鬼紅葉 ( No.11 )
- 日時: 2010/12/09 07:08
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: TWKNIdJ1)
最終章(side 翔)
鬼紅の日記はそこでとまっていた。
当然だろう。
死んでしまっては日記を書くことが出来ないのだから。
「私は私を殺して、お人形になるの。」
そしたら飼ってくれるわよね? と微笑む鬼紅を見て、俺は立ち尽くした。
何故俺は鬼紅の心の闇に気づいてやることが出来なかったんだ。
一番傍にいたのは俺なのに。
立ち尽くした俺を見て、鬼紅はふわり、と、飛びっきりの笑顔を俺に見せると、今度は、包丁を自身の胸に突き刺した。
俺は、噴出す血をただただ見てることしか出来なかった。
俺は鬼紅の最初で最後の我が儘をかなえるため、鬼紅を飼っている。
それが彼女の望んだことだから。
完結
PR