ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 死滅=再生 ( No.20 )
日時: 2010/10/24 11:06
名前: ★ユマ★    ◆FfKRCvpEe. (ID: 6w.ezElv)

 ⑧話#その中の”一人”#

 「ん…………。」

 起きた。
 目覚めが悪ぃ.....
 身体がダリぃし.....

 俺はそんなこんなで目を覚ました。



 ここは…………何処?



 ピ——————ガチャ

 『聞こえてるカナ?澄和k。今、ここは何処だ?とか思ったよね??……ここは最後に受けてもらう試練の部屋だよ。。』


 「……………最後・・か。」

 不気味な機械音とともに聞こえたその声に俺はこう呟いた。


 『そう.......最後。これを耐えきれば、澄和kは完全に”死滅と再生”の能力を得ることができるんだ。』

 その声は言う。
 だが俺には眠たスギて最後の方はあんまし聞こえていなかった。
 それでも俺の中に、疑問が浮かんだ。


 「俺をどうやってここに連れてきた?」

 『うん?………それは澄和kが寝てる時、僕の支配下の人たちが連れてきたんだよ。
  嫌がらないように、暴れないように、寝ている時に連れて行こうとしたんだけど、澄和kの身体が拒否反応を起こしてね・・・
  大変だったんだよ。ここまで連れてくるの。
  覚えてる??澄和k.......”親父””兄貴”って大声あげながら、暴れてたんだよ?
  おかげで、麻酔薬を使う破目になったんだけどね』


 こいつは俺の聞きたいこと以外にも、べらべらと口を動かす。
 まるで嫌味みたいに……
 うん。まぁ、まぢで嫌みったらしかったよ。


 「あぁ………そうか。」

 俺は頭を抑えて質問を繰り返した。

 「俺はここをクリアしたら、見た目?…身体とか、変わったりすんのか??」


 『う〜〜〜ん....まぁ、そこは人それぞれかなぁ〜?めちゃめちゃ気色悪ぃ奴になったのもいれば、変わりなかった奴もいたなぁ・・・
  まぁ、最終的にはみんな破裂しちゃったケド』


 俺はその中の”一人”にしかすぎないんだ。
 俺の身体を使ってお前達の実験台になったのに、
 お前達は実験台になった奴らの気持ちを、考えていないのか?



 「はははははっ…………」

 『何を笑っている?』

 「バカな話だ。」

 『…………………。』

 「なにが”生命の息吹”だ。なにが”進化”だ。なにが”試験”だ。なにが”死”だ。なにが”生きる価値”だぁああああ!!!!!!!!!!」



 「お前達はこの実験で、死んでいった人たちの気持ち考えたことあんのかよ!
  お前達は死んだことあんのかよ!
  お前達は実験台になって、いろんな部屋に行って、この苦痛を味わったことあんのかよ!
  お前達は、”死”への恐怖、間近で見たことって……あんのかよ??」




 俺はただただ、泣いていた。
 俺を観察しているであろう、カメラをジ———っと見つめて。
 俺はそう、嘆いていた。




 俺はどうせ、

 実験台の中の

 ”一人”………

 なんだろ?