ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ZERO GAME — ゼロ ゲーム ( No.2 )
- 日時: 2010/10/05 21:12
- 名前: メルー (ID: eN4PzAxv)
【一話 名前】
少年が 扉を開ける。
普通の人 には見えない扉を。
そして 少年は開けた扉の向こうへ迷わず踏み出す。
普通の人 が見れば少年は突然消えた様に見えるだろう。
その扉の先は 広くて、人の沢山いる場所だった。
性別、年齢にまとまりは無く 本当に沢山いる。
だけど この場所にいるという事は 全員が 普通 ではない。
少年は人ごみの中を歩いてゆく。
ここでは 銀髪もあまり珍しい目で見られない。
少年は すぐに最終目的地に着いた。
その目的地には、人が一番集まっており、
「誰か俺様に敵(かな)う奴はいないのか!!」
と一人の男が叫んでいる。
体格からしても並みの強さでないのが伝わってくる。
「誰もいないのか!!」
誰も名乗りを上げない。
勝ち目が感じられないのだろうか?
「この アリーナ には腰抜けばかりか?」
男が調子に乗って言うが、それでも誰も出ない。
「なら ここの トップ は俺様で文句無いな!ハハハッ!」
男が大きな声で笑う。
そして その笑い声を遮るように、
「俺が闘う。」
銀髪の少年が名乗り上げた。
「……プッ」
男が少し驚いた様子を見せるが、すぐに笑い出す。
「本気かガキ?お前程度じゃ俺様には勝てんぞ?それに……死んじまうかもしれないんだぞ?それでも良いのか?」
男の言葉と声は完璧に少年を舐めていた。
だけど それは当然の事だ。
体格の差が大きいのだ。
それに経験の差も大きいだろう。
周りにいる誰もが無謀な挑戦だと思った。
だが 少年は
「ゴチャゴチャ ウルセェよ。」
「!?」
「俺が聞きたいのは お前が 俺と戦うかどうかだ。」
全く危機感を持ってはいなかった。
それどころか 相手を挑発までしている。
「本当に良いんだな?後で泣いても遅いぞ?」
男が額に血管を浮かばせながら言う。
もし ふざけているなら、これが逃げれる最後のチャンス。
「しつこいぞ オヤジ。」
少年は逃げなかった。
「上等だ!! ルーラー !今すぐ GAME を始めるぞ!」
ルーラーと呼ばれた人物が現れ 喋る。
「分かりました。それでは ただ今より トップ 対 ディファイヤー の GAME を始めたいと思います。双方 リバースネーム を申し上げて下さい。」
「俺様の リバースネーム は 『シヴァ』だ!」
男が自分の拳を突き合わせながら叫ぶ。
「俺の リバースネーム は 『ゼロ』だ。」
対して少年は腕組みしながら言う。
「それでは準備は良いですか?」
「上等だ!」
「早くしろ。」
「分かりました。……GAME 開始!」