ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 5つの破壊ウイルス ( No.322 )
日時: 2010/11/20 21:37
名前: 黒帝 ◆ltYx4J.g3k (ID: TW1Zh9zP)

「残りのウイルスは…」

周りが直人を見つめてゴクリとつばを飲む…

「Sufferingだ」
皆静かだが、心が読める。
どういう能力なのだろう。と思っているのだろう。
「Sufferingの能力は…感染したものは最悪なことになる。」周りはまたもざわめき始めた。しかし直人は続けた。「ただ永遠に苦しむんだ。しかも死ねない。ただ、すごく苦しい。まるで頭に銃弾があたったのがずっと続くかのようだと。いっそ死にたくなってくるらしい。」

周りはぐちゃぐちゃともうざわめきどころではなくなった。本格的にうるさい。
「Human Collapseよりやばいんじゃないか!?」
「ウイルスの中で最悪かも…」
という声がはっきり聞こえた。
そしてついに直人が怒鳴った。

「だまれ!」
周りがピタッと静まり返った。
「一言言うたびにうるさいんだ!静かにすることはできないのか!」
再び最初のような静まり返った空間に戻った。

そして5つ目の破壊ウイルスを言い始めた。
「最後はDesuuirusuだ」
今度はざわめかなかったが亮太はまわりが心底震えているのがわかった。
「Desuuirusuは最後にして最悪のウイルスだ。」
付け加えた。
「感染したら最後…死ぬ。そうだ…」
またさっきよりひどい声でざわめき始めたが直人は止めなかった。直人自身も震えているように見える。
そしてざわめきを抑えることなく言った。

「さらにDesuuirusuはただ死ぬんじゃない。Sufferingと同等の苦しみを何秒か感じて死ぬようだ。」

ついに、野球にブーイングをつけるかのように野次をつけた。
「そんなのどうすればいいんだよ!」
「無理だろ!」
とそれからさらに野次が飛びそうだったが飛ばなかった。直人が一括したからだ。
「だまれ!それを破壊するための『阻止団達』だろ!同期を忘れたか!忘れたようだったら出てけ!」
とたんにシンとして一人が声を上げた。

「そ、そうだよな!」
続いて聞こえた。
「いままでHuman Collapseが出たときもこんな感じだったもんな!」
「きっとこの計画も阻止できる!」

そして次々と声が上がり大声が部屋中に響き渡った。
しかし今度は絶望感に満ちた声ではない。
勇気と気体に満ちた声だった。

いつの間にか亮太もその声にまぎれて歓声を上げていた。




続く