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Re: 破壊と創造  オリキャラ募集中!! ( No.37 )
日時: 2011/01/31 17:55
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)

   Capter Ⅲ 悪友

「よお!!美人&巨乳コンビさん!!」
「「・・・」」

後ろからむかつくほど元気な声が聞こえる。
少し眉根を寄せて後ろを振り向くと、「しまった」という顔をした色白の男がいた。

実は彩佳はそう呼ばれるのが大っきらいだ。

だって、コンプレックスだから。
ずい、とレイシーを押しのけ、彩佳が前に出る。

「・・・ルースト」
「わああ!!ごめんって!!い、いまのは・・・えっと・・・」

ルーストは地雷を踏んだ。
下でリベルはウロウロしているが、今のレイシーにはどうでもいいことだ。
おろおろしているルーストを静かににらんで、彼の発しようとしている言い訳の言葉をさえぎる。

「黙れ。いいわけやめろ」
「・・・(恐っ)」

彩佳は思う。
レイシーとルーストは彩香の入る前からいるいわば先輩同士(・・・だが3人とも気にしていない)。

レイシーに聞いたことがあるのだが、そんな2人は悪友とも言うべき存在らしい(彩佳がレイシーとの会話のときに勝手に解釈した)。
ただやはり極限に危ないとき意外はすごく仲が悪い。
いつも女口調の彼女の口調も変わる・・・。

「朝っぱらからあんたに出て来られてすごく機嫌悪いのよ。ま、K.Yのあんたにはわかんないだろーけど」
「K.Yってどこの世界の言葉だよ;」(ここだよ)

「ま、とりあえず」とルーストが言葉を続ける。
彼は書類をレイシーに押し付けておもいっきりしかめっ面をした。
レイシーはそれを乱暴に彼の手からぶん取った。
書類には「連続窃盗事件の情報について」という題名と、その後にズラッと細かい字が並んでいた。

「・・・これ、あんたの担当じゃないじゃん」
「感謝しろよ、わざわざ持ってきてやったんだろ?・・・それに、なんか気になったんだよ」

そこでルーストはやっとレイシーの足元のリベルに気づく。
ん?という顔でリベルの首根っこを掴む。
レイシーの目にはリベルの表情は明らかに不満げだと言うことがわかる顔をしていた。
しかしルーストにはそんな表情がわかるわけも無く、そのままリベルを突き出す。

「これ、誰の犬だ?」
「・・・付いて来ちゃったんだからしょうがないでしょ?」

ルーストが驚いたように目を見開く。
あきらかに、「彩佳の子犬だと思ったのに」と顔に出ていた。
その顔を見て、レイシーはフン、と鼻で笑った。

「わるかったわね、私が連れてきて」

もはやルーストの口はあんぐりと開いていた。
そのときだった。
奥から穏やかな、低い声が響く。

「レイシーさん、彩佳さん、ルーストさん。いつもご苦労様です。・・・で、こちらにいらしたらどうですか??」

ルーストはまだショックが消えないようで口が半開きだった。
そんな彼の側を通り過ぎる間際、レイシーは拳でコン、と彼の顎を下から軽く閉めた。
彼はその顎をさする。
んだよ、とつぶやいてレイシーの後に習った。

   Capter Ⅲ ・・END・・