ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 破壊と創造 オリキャラ募集中!! ( No.41 )
- 日時: 2011/01/31 18:01
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
Capter Ⅴ 窃盗
リンネ・ルドレイル
女・14歳。
家族と自分の右腕を不審な火事で亡くし、義手で過ごしている。
しかし現在住まう家など持っておらず、孤児院などにもいない。
現在行方知れずである。
「———行方知れず?こんなに小さな・・・。あ、ごめん聖花、あなたのことじゃなくて」
横で頬を膨らませていた聖花に気づいたレイシーが、慌てて否定した。
でも、不思議だ。大体、なぜ不審な自己と断定されて———?
そこまで考えて、気づいた。今回の窃盗事件も火事が関係している。
この火事、4件の共通点・・・。
それはそう、燃えた着火地点がわからないこと。
この火事も同じ。
窃盗にあった店に勤めていた定員によると、それは小さな子供のようで、ボロをまとっていたと言う。
姿を見て、その子供が振り返り、目が合った瞬間、奥から叫び声がして家事の炎が燃え広がった。
「この子に会いたいけど一体、どこにいるのかしら。せめてどこに出現するかさえわかれば——「レイシー!」」
レイシーのつぶやきは、突然の後ろからの呼び声にかき消された。
少し驚いて後ろを向くと微妙に息を切らした彩香が入り口に突っ立っていた。
「その子・・・。リンネ、ちゃん?今、服屋が被害にあってるって。張り込みに行こう」
「わかったわ。・・・そういうことで聖花、ありがとう。行って来る」
レイシーは椅子をスライドさせて元通りの場所にしまうと、彩香の後に続いていった。
リンネに気取られないよう、二人は帽子と目立たない服を着た。
少し洒落た感じの、この商店街にしては大きめの店で定員に証明書を見せる。
服屋の定員に聞いたところ、見たのは後ろ姿程度で顔を見たものはいない。
防犯のための機械が反応して、店員が店から顔を出したときには先の角を曲がったところにマントのすそが消えるところだったと言う。
「じゃあ、また彼女ここに来るわね。間違いなく」
「なにか、わかったんですか?」
「まだはっきりしたことではありません。ですが、私達が今日から付き添います、きっと大丈夫です」
店員の何人かはほっとしたような顔を、残りは複雑な顔をした。
後ろから、誰かの近づく足音がした。
店員が身を固めた。はっとしてレイシーも振り返るが———。
「何か、わかった?」
いたのは、聖花だった。
彩香は心底ほっとしたような顔をした。
店員が警戒したのは、子供(本当は違うけど)だっただけのことだった。
「大丈夫、彼女は天才で、私たちと同じ務所につとめているんです」
「信じられなくても無理は無いかもしれませんね」
聖花は妙に大人っぽい苦笑いを浮かべながら証明書をその小さな手でかざした。
それを見れば、みんな彼女が本物だと理解しざるを得なかった。
それをしまったと同時に、レイシーたちの背後から声が聞こえた。
「どうしたんですか?」
そこにはあの義手の赤毛の女の子、リンネ・ルドレイル本人が立っていた。
Capter Ⅴ ・・END・・