ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 破壊と創造 オリキャラ&コメ募集中! ( No.46 )
- 日時: 2011/01/31 18:07
- 名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
Capter Ⅷ 追跡
「離せ!!離せよ、離しやがれ!!」
リンネは、さっきとは態度が打って変わってもう正体を隠そうとしてはいなかった。
言動も変わり、乱暴で、反抗的だ。
しかしやはり発火能力は働かないようで、能力を封じる手錠+獄の「能力を封じる能力」の効果は抜群だ。
鬼にもこういう能力があるらしいが、この世界にいる人間よりも潜在的に持っている例は比較的少ないらしい。
「どーせ知ってたよ!!あんたたちが捜査官やそういう類のやつだったってことくらいね!!でも、無駄だよ」
リンネはそこで言葉を切った。
そしてにやりと笑った。
それは、14歳の少女のする顔とは思えないくらいの不気味なそれだった。
「どうせアタシは子供。裁かれることもなければ、死刑にもならない。こりゃどうしようもないね。さ、どうする?今ここで殺すか?」
リンネは言葉とともに地面につばを吐いた。
冷やかすようにせせら笑う。
義手の方が抵抗するが、レイシーがリンネを見ながら獄に頷いたので、リンネは目をぎらぎらさせながら連れて行かれる羽目になった。
大きな獄の肩の上から小さな邪悪な顔がのぞく。
「アタシは抜け出すぞ!!こんなことしたって意味はない!!ないからなァーーーーー!!!」
それは獄とともに連行用のパトカーの中に消えた。
そういえば、とレイシーは獄の方に振り向く。
「聖花はどうしたの?」
「それが、姿が見えなくて。火事の後、未解に帰るって言ってたけど、電話したら戻ってないって言われたわ」
「え・・・。また?」
聖花は時々消える。
今も、そういうことらしい。
そのとき、レイシーは気付いた。
角を、蒼いジャケットを着た女性が淡い水色のワンピースを翻して消えるのが見えた。
しかしリンネのことに気を取られ、そのときはすぐに忘れてしまった。
『少年院に連れてかれるぞ、あいつ。消すんだろ?』
「当たり前じゃない。それが私の誓いなんだから」
獄と彩香、リンネの乗ったパトカーは角に消える。
レイシーは夜の暗い路地に入り込み、手近な建物の屋根に跳び乗る。
リベルは跳び乗れるか心配だったか、脚力は意外と大丈夫なようだった。
レイシーは軽々と、屋根から屋根へと跳び移る。
白いコートのすそが夜風に吹かれ、なびく。
パトカーの赤い光を追って、道を挟んだビルにも宙返りで着地する。
『それは無理だ!!』
後ろからリベルの声が聞こえる。
レイシーはパトカーを目で追いながら、冷たく突き放す。
「無理なら置いてく。自力で翼を生やしてみれば」
『ぅええ!?』
Capter Ⅷ・・END・・