ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: —— 光と闇のAbility戦争 ——    ( No.91 )
日時: 2011/01/31 18:29
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   Capter ⅩⅥ 声

「ルール違反、ですって?」

リィフはそのふざけた言葉に顔をしかめ、繰り返す。
ルール?まるで、ゲームのよう。




人を殺すことが・・・?

      ゲーム
「そうだよ。戦争のルールさ。まさに、リバーシのような、ね」



笑う。


人を大勢殺しておいて。



さも面白おかしそうに、銀黒髪の悪魔———いや、大魔王は高笑いする。


「でもこんなところで油うっておいてさ。あの村の人が死ぬ結果になったら、もっと僕を恨むんだろう?とんだ筋違い」

くくっと笑う。
リィフははっとして踵を返し、駆け出しかける。
聖花は顎でくいとブランに指図される。

共に行け、と言っているのだ。


もちろん、スパイとして。

そしてブランは、並んだ二人に言葉をかける。

「聖花を追い出したらもっと被害が出るからね!聖花自身も、裏切ったら同じことだから」
「・・・卑怯者!!」
「そうさ。選択を選ばない。いや・・・。むしろ、悪いほうを選んでいるか。これからどうなるかも、君たちしだいだよ」

                                  *Ayaka Side*

光を雲がさえぎり、また雲から光が差し込む。

その光はブラインドを通して病室にまで差し込み、3人は思い思いに顔を上げる。


獄は病室から退室し、外の青い粗末な椅子に押掛ける。
ルーストは立ち上がり、部屋の中をうろうろと歩き回った後にブラインドの一部を引き下げ、目を凝らす。
やがて納得行かない顔のまま戻り、またうろうろし始める。

彩香はふと、声が聞こえた気がして顔を上げる。

「・・・ルースト、何か聞こえた?」
「え?何が?」
「・・・なんでもない」

またうつむく。
しかし、今度はもっと集中して。

———やはり、何か聞こえる。



彩香は扉を勢いよく開き(ルーストが「おいおいおい・・・」と声を上げた)、ある方向を向く。
獄もそれを見習ってそちらを見るのだが、意味がわからないような顔をしていた。

「来る」
「・・・え」

彩香が言ったと同時に、向こうから急ぎ足で来る二人が見えた。
獄が驚いて立ち上がり、そちらを見る。
小さな影と、彩香よりやや低めの影。

聖花とリィフだ。

「来た!」

獄が発見してあげた声に、ルーストも病室から飛び出してくる。
二人は心配していた面持ちの三人と合流し、早歩きしていた速度を緩めた。

リィフはそのままの勢いでルーストの元へ駆け寄る。
彼の肩をつかむも、そのつかまれた本人はドギマギしている。

「ルースト・・・車・・・」
「え」
「車、出して!早く行かないと村の人たちが・・・!ここから一番近い村・・・」
「わ、わかった」

勢いに押され、ルーストは駆け出す。
病院には車で来たのだが、それはルーストのだったのだ。



車に全員が乗り込む。
今から超特急のカーチェイスが一般の道路で、しかも刑事によって行われる。

   Capter ⅩⅥ・・END・・