ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: —— 光と闇のAbility戦争 ——    ( No.95 )
日時: 2011/01/31 18:30
名前: Aerith ◆E6jWURZ/tw (ID: hQNiL0LO)
参照: http://ameblo.jp/ff7-perfume-love-y

   Capter ⅩⅦ 地震

                                  *Reaf Side*


白い車に五人は乗り込み(ベイルは車の上に乗り)、そして車は勢い良く走りだした。
早速タイヤからは強い勢いの性で少量の花火が散りに散っている。

「・・・事故らないよね?」
「・・・たぶん」

彩香と獄のそんな会話を気にも留めず、ルーストはハンドルをすばやく切る。
隣のリィフはスピードなど気にしてはいなかった。
ただひたすら、前方の一点だけを目を凝らして見つめている。

「声はかけないでくれよ!じゃないとほんとうに事故る・・・ぞっと!」

最後の一言とともにルーストはまた高速道路のなかでハンドルを切り、追い越しをする。
勢いで車が少し傾く。

「あ、あれ何!?」

横からルーストの車を抜かす黒い車がいた。
機種もそっくりで、ただ色だけが違った。

「なんか闇と光みたいね」

リィフがつぶやくと。

「そのとおりみたいよ」

後ろから、思いがけず彩香の同意の声が聞こえる。
彩香は前方の車に目を凝らしているのではなく、目を閉じて何かに集中していた。

「あいつは・・・。闇のAbility保持者。・・・ううん、もう覚醒しているから能力者ね。Abilityは・・・」

ルースト以外、彩香のほうを向いていた彼らは彩香の言葉に黒い車を凝視する。
彩香のつぶやきにまた彼女のほうを振り返る。

「———地震!?」
「やべぇ!!」

彩香の言葉の直後、ルーストが叫ぶ。
みんなが一斉に前方を見ると、確かに緊急事態だった。
黒い車の後ろから地割れが起きていたのだ。

「ちょっ!!このままじゃ・・・」
「任せて」

リィフは落ち着き払って車の上にある扉を開く。
そしてそのまま、上にいたベイルの横に立ち上がって並ぶ。

『仕事か』
「見ればわかるでしょ?」
             レイピア
その言葉とともにリィフは剣を構え、それをルーストの車のすぐ後ろのコンクリートに突き刺す。
しばらく火花が散ったが、リィフの剣が纏っていた青い光が地面に浸透する。




                           —————津波だ—————



波は見る見るうちに膨れ上がり、白い車の下に入り込む。
車を持ち上げ、また7.8Mにまで上り詰める。

黒い車は、真下だ———。


「おいおいおい!なんだぁ!?」

ルーストのそんな声が中から聞こえる。
津波はやがて低くなり、黒い車を追い越して飲み込んで、消えた。

「急いで!村が見える」

リィフが叫ぶ。
黒い煙が上がっている。

しかし、後ろから———。

「リィフ、危ないわ!!!」

地震がおき、不意を付かれたリィフは道路に落下する。
下は硬い硬いコンクリートだ・・・。

   Capter ⅩⅦ・・END・・