ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ★天獄で働きませんか? ( No.4 )
- 日時: 2010/10/27 16:29
- 名前: ヴィオラ (ID: 6PSxBKjg)
参.とりあえず砕けて崩れてください
母親と獄は父親がいなくなって何度も警察に捜査を受けた、別に母親も一緒にいたので獄は安心したようにちゃんと質問にも答えられた。
そして捜査のことも何もなかった青空の輝く日曜日だった・・・久しぶりに二人はレストランへ行くことになった、獄は嬉しくて母親と手をつないで歩いてレストランへといった・・・これが母親と獄が一緒にいれた最後の日だ。
開いた席にすぐに座っておこさまランチを頼んだ獄はちょっと落ち着かずに走り回りそうなくらいだった、かなりの貧乏生活だったのだ
「ママ〜、おこさまランチまだ〜?」
「まだよ〜、頼んだばかりじゃない^^」
「だよね〜・・・」
そこで一つの銃声が聞こえた、それに獄と母親は警戒して動かないままでいた。
大声で叫ぶようにして銃撃ははじまったらしくバタリと獄の斜め前にいた店員さんが皿を割った瞬間に倒れた、これには少しざわめきが起きたがみんな逃げられないような状況でだんだんと人が倒れていった。
そして獄の席が狙われたときには中にいた客や店員はほとんど倒れていたに等しかった、助けも呼べないような状況に銃声がまた聞こえた時だった・・・
母親があの時のように赤い液体を垂れ流しながら倒れていった。獄にもそれが跳ねた赤色の絵の具のように掛かった、あまりにも残酷だった
「・・・ママ・・・ぱ、パパみたいになった・・・の?」
「お前も南の鬼か!?」
「・・・いやっ!」
その声とともに獄に向かって銃弾が飛んできた瞬間に彼の意識はそのまま途切れてしまった、そして病院で奇跡的に銃弾を取り除き少し赤いものが流れていた頬は縫われていた。
獄は治って数週間後に退院したのだがその事件についても警察が獄にいろいろなことを質問した、もう何も言えなかったが13歳までずっとそんなことをたまにという感じでしていたが慣れてしまった。
そして獄は16歳になった、『南鬼族』ということは学校でバレることもなかったしハーフと思われることだけで虐められることもなかったのでバスケ部に所属してチームのまとめ役にもなったし運よく生徒会にも所属できた。
そして、獄が16になって六ヶ月目の九月の十五夜に起きたとある不思議な話だ
「耶麻、どうかされましたか?生徒会室には僕と耶麻しかいませんが・・・」
「いいや、君に聞きたい事があるんだ・・・君って『南鬼族』でしょ?」
「・・・え、何故それを知っているのですか?」
獄はそのことについては学校にも知られてなかったので偶然苗字が同じという耶麻先輩に知られるとは全く思ったこともなかった、ちなみに彼は元からの『神族』らしく幼い頃から施設に預けられて育てられたと言っていた。
そして獄と生徒会に所属してリーダー的存在となった耶麻はもちろん仲がよかったし獄も耶麻のことを慕っていた、獄はどんな秘密でも耶麻になら話せるような関係だったのだ
「『南鬼族』たちは16の時に神様と一緒に冥界に行くって・・・知ってた?」
「・・・あ、えぇ!?知りませんでした、何故それを・・・まさか・・・」
「そのまさかだよ、俺と一緒に冥界へ行こう」
「・・・え?」
その瞬間に耶麻は獄の手をそっと触れると・・・そのまま地面に突き刺さるような勢いで手を振り下ろすと獄と耶麻はそのまま天井が抜けて流星のようにすごい勢いで落ちた、そしてロケットの発射時のように上へと上がっていくとそのまま獄の意識は途切れた
続く