PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 迷宮案内人-In the labyrinth ( No.11 )
- 日時: 2010/10/11 09:55
- 名前: 彩崎 (ID: FkTwM/pM)
case02 -樹の場合- 01
深山 樹は、悩んでいた。
毎日毎日、塾、塾、勉強。中学3年生である樹は、勉強に追われていた。志望校は、県内3位の東高。学年で常に30位以内に入っている樹にとっては、割と簡単に入れるであろう学校だった。
成績はキープしているのだから、もういいじゃないか。どうせ受かるんだし。樹はそう思ったが、親がそう簡単に塾をやめさせてくれるはずもなく。
「ったく・・・もううんざりだっての・・・!」
ぎりっ、と歯軋りをした瞬間。
世界が、暗転した。
* * *
「ようこそ、貴方の『迷宮』へ」
暗転した世界の先は、真っ暗な空間。そこに立つのは一人の男。現実離れした光景に、まるで夢でも見ているかのような錯覚に陥る。
「誰だ、お前」
「おや、少しは驚くかと思ったのですが」
関心したように言う男に軽く苛立ちが募る。表情からは全く感情が読み取れず、よく言えば謎めいた、悪く言えばわけのわからないやつだと結論付けた。
「どーせ夢だろ、・・・っつーか、お前は誰だって」
「現実的な子供ですねえ・・・私は案内人。貴方を導く、案内人」
子供じゃねーよ、と思いつつ、樹はあんないにん、という不思議な響きに妙は感じを覚えた。地に足つかない、ふわふわとした感覚。
「貴方は、勉強から解放されたい。そうでしょう?」
「っは、全部お見通しってか」
「本当に・・・本当に、俺を解放してくれるのか?」
「ええ、もちろん。貴方はそれを待っているだけでいい」
確固とした口調で言う案内人に、樹は不思議な安心感を覚えた。この男なら、なんとかしてくれるかもしれない。淡い期待が、次第に強い願望へと変わっていく。
「その話、乗った」
樹は、嬉しそうににやりと笑った。
* * *
PR
