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Re: 学園祭 —敗北とは何ぞや— ( No.5 )
日時: 2010/10/13 15:48
名前: 道化のピサロ ◆l3vISY73Lg (ID: jxsNqic9)


Sign/1 白い石

 目が覚めると、明るい草原。
隣には例のシルクハット男が立っていて——
そしてなぜか黒い物体に取り囲まれる俺。
 黒い物体(球体に胴体が生えている。目はない)は、ただ俺を取り囲んでいる。
敵意も感じず、気配もない。ただそこに存在しているだけの様な雰囲気の黒い物体は、ピクリとも動かない。

「なあシルクハット。今どうい——」

先ほどまで全く動いていなかった黒い物体は、俺たちが話し出した途端に襲い掛かってくる。

「う状況!?」

「絶体絶命ですかね」

落ち着いて答えるシルクハット。
こっちは落ち着いてられねっーつーの!

「この状況から脱出する方法!」

飛び掛ってくる黒いのをよけながら俺は尋ねる。

「これをお使いください」

シルクハットが指を鳴らすと、一丁の銃と白い石が降ってくる。
もちろん俺は本物の銃を使ったことも触ったこともない。いきなりこんなものを使えといわれても慌てるだけだ。
それより問題は白い石だ。銃の弾は一発もなく、白い石だけでどうにかしろと言っているようなもの。
石で勝てるわけがないのだ。石で。
でも、この状況を切り抜ける為には使わなきゃいけないらしい。

「石をつぶしてください」

シルクハットの言うままにする俺。
受け取った石を握りつぶすと、白く発光した。



END